感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
2
『岳人』に71年1月号から76年2月号まで表紙絵として掲載された、辻まことの晩年の作品と“表紙の言葉”を編集した本。 私も当時の岳人を何冊か持っているが、今見ても“いいっ”と思う。柔らかい、ほのぼのとした温かみのある絵だ。何だか昔の山男のイメージ、寡黙な単独行者のイメージがそのまま表現されているようで、妙な親近感を覚える。私が20代前半の頃、単独の山旅を好んだのは、少なからず辻まことが描く絵の影響があったかもしれない。今はそんなセンチメンタルな気になれないけど。(2000.3記)2000/03/11
のうみそしる
1
偏屈でありつつ、岳人ならではの視点が鮮やかに光る。人生を道にたとえる際、「岳人はきわめて非平面的、非道路的な形象と人生観をもっている特異な種族」だという。甘粕事件やアナキストにまつわる話を期待したが、人間すべてを高山から見下ろし仙人然とした作者にとっては「いっこうに実感がわいてこない」。タマゴダケたべてみたい。2023/09/20
ゆんたく
1
たまに異を唱えたくなる時もあるが、それらもひっくるめて好意を持った。絵の一枚一枚がとても、いい。これは偶然と思うんだけど漫画「岳」の島崎三歩サンに似てるぅ~って人もちら、ほら、と。この辺も興味深かった。2010/03/22
pika
0
いろいろ考えさせられるメッセージがたくさん。2011/11/09
ブルーベリー
0
イラストの文章も古きよき時代ってやつかな〜。山の本はたまに「俺が1番正しいんだ!」という本が多いけど、これは大丈夫! 山登りの本を百冊読んで、理解している識者より、登山をしつづけていながら山登りとは「何か」がさっぱり判らないでいる人達のほうが、山へ一緒に行く段になれば、ずっとたよりになる。というのが名言だと思います。2011/12/10