感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
27
著者の辻まことさんは、詩人、画家、登山家、スキーインストラクター。1971年から1976年にかけて、雑誌『岳人』の表紙絵を描き、あわせてエッセイを寄稿していた。それらを収録したのが本書である。山へ入っては倒木に寝っ転がってオカリナを奏でることで、鳥や風と言葉を交わしたそうだ。人生を楽しく過ごす達人であったらしい。とても素敵だ。私も、せめて山へ行った時ぐらいはスローな時間を楽しまなきゃ。人生、損をしているような気になった。2025/02/24
つちのこ
2
『岳人』に71年1月号から76年2月号まで表紙絵として掲載された、辻まことの晩年の作品と“表紙の言葉”を編集した本。 私も当時の岳人を何冊か持っているが、今見ても“いいっ”と思う。柔らかい、ほのぼのとした温かみのある絵だ。何だか昔の山男のイメージ、寡黙な単独行者のイメージがそのまま表現されているようで、妙な親近感を覚える。私が20代前半の頃、単独の山旅を好んだのは、少なからず辻まことが描く絵の影響があったかもしれない。今はそんなセンチメンタルな気になれないけど。(2000.3記)2000/03/11
のうみそしる
1
偏屈でありつつ、岳人ならではの視点が鮮やかに光る。人生を道にたとえる際、「岳人はきわめて非平面的、非道路的な形象と人生観をもっている特異な種族」だという。甘粕事件やアナキストにまつわる話を期待したが、人間すべてを高山から見下ろし仙人然とした作者にとっては「いっこうに実感がわいてこない」。タマゴダケたべてみたい。2023/09/20
ゆんたく
1
たまに異を唱えたくなる時もあるが、それらもひっくるめて好意を持った。絵の一枚一枚がとても、いい。これは偶然と思うんだけど漫画「岳」の島崎三歩サンに似てるぅ~って人もちら、ほら、と。この辺も興味深かった。2010/03/22
pika
0
いろいろ考えさせられるメッセージがたくさん。2011/11/09