平凡社ライブラリー
ブレイク詩集―無心の歌、経験の歌、天国と地獄との結婚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 174p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582761207
  • NDC分類 931
  • Cコード C0398

内容説明

歓喜と絶望を、そして呪縛からの解放を歌う―ブレイク初期の傑作三詩集を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

12
後世(思想家、芸術家)に少なからず影響を及ぼした18世紀の英の画家の著者が、魂との対話を通し秘教伝統の智恵を獲得、“詩魂”をもって詠った詩の数々。 仔羊、羊飼、春、花、夜、夢・・・無心・無垢の世界、生きとし生けるもの、人間と自然に満ち溢れた生命への賛歌「無心の歌」。生命の歓喜を忘れ、死の影、絶望と悲しみの世界を描いた「経験の歌」。天使と悪魔が融合して、そこから真の神が生まれるという思想の「天国と地獄との結婚」。絵と原詩にも接してみたい。巻末の解説(「詩魂」とゲニウスについて)が手助けしてくれる。2012/11/04

H2A

11
韻文を翻訳で読んでどれだけ良さがわかるかというと疑問を持ってしまう。詩は言葉の響きそのものに依存するので(tyger,tyger,burning bright...のように子音を重ねてたたみかけたり)、翻訳は分が悪いように思える。この集は平易な訳で意味を取りやすいが、平易すぎて逆に理解に苦しむところもあった。有名な「虎」に関してだけ言えば、岩波のイギリス名詩選の方が硬質で勢いあって良い訳だったし、作者の挿画もあればさらに良かったかなと思う。でもアンソロジーでなく初期の代表作が読めるのは貴重で好印象。2011/11/20

またの名

7
「特権ずくめのテムズ河のかたわら、特権ずくめの街から街へと歩きまわり…それにもまして真夜中の街に私は聞く、うらわかい淫売婦ののろいが乳のみ児の涙をからし、結婚の柩車に疫病をふりかけるを」「人々は富み、稔り豊かな国で、幼な児がみじめにされ、つめたく強欲な手で育てられる…あのふるえる叫び声は歌か、あれがよろこびの歌であるか、あんなに多くの子供が貧しいのか これは貧乏の国だ」。詩人はやがて天国と地獄の結婚を歌い出し、悪魔の言葉と称する文章群を書き込み「私」が記したという地獄の聖書を本家キラキラ聖書に対抗させる。2023/02/28

白義

7
無垢の歌が、描かれた世界、一つ一つの言葉まで本当に汚れなく素朴な楽園のようなのに、経験の歌に移行した途端これが堕落かとばかりに激しく劇的な詩ばかりになる。べスターの「虎よ、虎よ、」の元の詩も読める。まさにべスターがSF的なヴぃジョンに描いたままの熱気溢れる一編。天国と地獄との結婚は全体に、理性の一元支配に対する力と生命の讃歌、それぞれを象徴する天使と悪魔の一体化による預言者的世界が描かれていて、画で感じるブレイクの世界そのまま。相当強烈な幻視世界を歩んでいたようだ2013/02/17

きゅー

6
「無心の歌」、それと対になる「経験の歌」、「天国と地獄との結婚」が収録されている。「無心の歌」と「経験の歌」で示される対比(愛情と非情、喜びと悲しみ)は非常に分かりやすい構図だが、むしろこれだけあからさまの方が印象に深く植え付けられるのかもしれない。それに対して「天国と地獄との結婚」は難解のためあまり理解できなかった。天国に象徴される理性と、地獄に象徴される肉体がともに相争うことによって人間的な存在が超克されるということらしい。それを「結婚」という文言によって意味している。2013/04/15

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