内容説明
望遠鏡のようにはるか遠くまで歴史を見通し、顕微鏡のようにこまやかに史料を読み抜く言葉が、“文化史”とは何かを問いかける。日本史研究に独自な領域を開拓した著者の長年にわたる打ち込みを記録する論考22篇を編む。亡き同学諸氏への追悼批評を交えた、深みのある一書。
目次
1 中世びとの心を訪ねて(中世の民衆文化―古代からの継承と近世への伝達;夢;慈円の夢想をめぐって―中世史研究と夢 ほか)
2 軍記物語研究の足跡を追って(「平家物語」成立過程の一考察―八帖本の存在を示す一史料;赤松俊秀遺著『平家物語の研究』について―孤高の金字塔;「小嶋法師」と「外嶋」について―『興福寺年代記』記事の復権 ほか)
3 歴史の小径、遠い声(「一期(いちご)」の認識について―日本思想史学会・平成八年度大会シンポジウムにおいて
「供花」にたずさわった人びと―中世東寺の場合
天正遣欧使節と「日本人奴隷」のこと ほか)
著者等紹介
横井清[ヨコイキヨシ]
1935年京都市生まれ。1958年3月立命館大学文学部史学科(日本史専攻)卒業。1962年7月立命館大学大学院文学研究科(日本史学専攻)修士課程修了。社団法人部落問題研究所・京都市史編さん所・花園大学文学部・富山大学人文学部等をへて、1989年4月桃山学院大学文学部勤務、現在に至る。専攻は日本中世史
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