出版社内容情報
子ども時代に魅了された絵本と17年の保育士経験が『ぐりとぐら』『いやいやえん』『くじらぐも』を生み出した。――人生の先輩が切実な言葉で伝える語り下ろし自伝シリーズ
内容説明
『ぐりとぐら』『いやいやえん』を生み出した本と子どもとの出会い。子どもはいつでも全力投球。お話の主人公になれるほどとびっきり個性的。
目次
私と本の出合い
みどり保育園の主任保母として、作家として、母として
これからの子どもに伝えたいこと
のこす言葉
著者等紹介
中川李枝子[ナカガワリエコ]
1935年、北海道生まれ。児童文学作家。東京都立高等保母学院を卒業し、1972年までみどり保育園に主任保母として勤務。保育園の子どもたちから着想した『いやいやえん』で厚生大臣賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。『ぐりとぐら』は10か国語に翻訳され世界中で読み継がれるベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
44
中川李枝子さんの本との出合い、本で世界を広げていったこども時代、疎開していた北海道での生活、保育士時代の「ぐりとぐら」の誕生秘話、石井桃子さんと過ごした日々など興味深い話が満載。中川さんの人柄がにじみでた穏やかな語り口調にひこまれる。そして、「児童文学のテーマは成長。質の良い本は読者も成長させる。主人公になりきって共に成長していく自信と安心、希望を与えてくれるのではないかしら」に共感。巻末のブックリストも参考にしたい。2019/08/04
こふみ
23
サブタイトルが「本と子どもが教えてくれたこと」。 「家庭が大事」や「児童憲章の三原則」の言葉にわが身を省み、子どもの教科書で読んだ「くじらくも」に戦時中の思いが込められていることを知ることも出来て、今読めてよかった本でした。2019/06/26
てんちゃん
21
中川さん、幼少期、戦争中だったとは言うものの、お父様お母様ともに聡明で、育ちの良いかただなぁ。後半の中川さんが平和を望む想いに考えさせられる。たとえ、争いを望まなくても、時として人は強引に戦いに巻き込まれる。お子さまの『お母さんを守るために戦う!』という発言。著書の中では中川さんは否定的だったけど、ウクライナの情勢を目の当たりにしている今、この発言は間違いだとは思えない。武器をとれば平和は遠退くのかもしれないけど、人はやっぱり守るものがあると、理想を手放してでも、戦う生き物なのではないか。2022/05/15
ムーミン2号
12
『いやいやえん』や『ぐりとぐら』の作者である中川李枝子さんの語り下ろし自伝。小さい頃から本との関係が濃密だったことがよくわかるが、ご本人のベースはあくまで「保母(今では保育士)」。その中でこそ生まれた作品たちであることがよくわかる。学生時代、学外実習先のホールに掲げられていた児童憲章があれば、例えば校長室にある「親切に」などのような各校の目標などいらない、というお説ごもっともである。そして児童文学とは「成長」をテーマとするものであり、それは読者をも成長させるものだ、という。楽しい語り下ろし作品だった。2019/08/31
seeds
10
本好きの両親の元に育ち、縁故疎開で北海道の祖父母宅でも沢山の本を読み子供の頃から相当な数の本を読み漁った著者。保育士になった時の体験からぐりとぐらが生まれたり、子供たちへのまなざしがとにかくあたたかい。そして、保育を心から楽しんでおられた。 座右の銘が「われ抵抗するゆえにわれあり」と。ユーモアの中になかなか一筋縄ではいかない性分がチラリ笑 P44人は言葉によって人になる 言葉を定着させるものとして本がある 本を読まなくなったらどうなるかと 石井桃子さんは心配していましたよ。P102分からないからこそ本を↓2023/08/29