出版社内容情報
鬼才・佐藤優が、欧米社会の根幹をなし世界標準の知識として必須のキリスト教の世界観を、神学の視点から徹底解説。
佐藤 優[サトウ マサル]
著・文・その他
内容説明
21世紀にキリスト教は役に立つのか?何ができるのか?神をめぐり、人間の限界を徹底的に思考する、2000年超の歴史のなかで培われたキリスト教神学を体得することで、この世界の見え方が変わる。神をめぐり人間の限界を徹底的に思考するキリスト教神学を使いこなす実践の書。
目次
救済論(イエス・キリストは救い主なのか;人間の理性と神の救い)
教会論(キリスト教とナショナリズム―カール・バルト『ローマ書講解』を読みとく;「神の国」―柄谷行人との対話から ほか)
信仰論(なぜ、何を、どのように信じるのか)
終末論(今、ここで私たちが生きていくために)
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、09年最高裁で有罪が確定し失職。13年執行猶予期間が満了し、刑の言い渡しが効力を失った。05年に発表した『国家の罠』で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
45
神学の知識が必要な論文だと感じました。カトリックに若干厳しめな気がします。2022/01/20
Nobuko Hashimoto
28
学生が輪読ゼミで紹介するというので私も読んでみたが、進まなくて… 3日ほど苦しみながら読んだ。文体はやわらかく、同じ文がくどいほど何度も出てきて、難解というわけではない。実在した神学者の取った行動や、マルクス主義との関連、東欧現代史との関連のような現実味のある部分はスッと読めるのだが、キリスト教の大前提に納得できないので、頭と気持ちが受け付けないというか。自分はプロテスタントの学校に通って、キリスト教的精神には比較的親しみを持っていると思っていたが、信仰は持てないなと確認した。2020/01/22
非日常口
14
神学は我々と無関係ではない。何故なら近代システムはキリスト教の神の権利を人が手にしたと思い込んだときに出来上がったシステムだからだ。世界史の本では歴史の政治的な一出来事のように書かれても、その背後に動いた熱量はキリスト教内の思想の問題が要所で現れることが本書を読むとわかるので、歴史好きにも勧めたい。キリスト教の核は「イエスキリストが救世主である」という事である。終末論と進歩史観の差やプロテスタントが何故煉獄を認めないか、宗教と神学の違い、外部のある世界観など変な哲学書を読むより本書は論理を見せてくれる。2018/06/05
元よしだ
7
読了~ むずかしかったです マグクラス「キリスト教神学入門」 フロマートカ「人間への途上にある福音」 バルト「ローマ書講解」などの引用があり解説がわかりやすかったです。再読します。 そしてこの本を参考にして佐藤優さん「新・学問のすすめ」 読めそう~~2018/09/10
Happy Like a Honeybee
7
ユークリッド幾何で平行線は交わらない。リーマン幾何で平行線は交わる。 ユダヤ教とイスラームは神を媒体として交差するのか。 神と人間に境界線があるように、善と悪にも境界線がある。 バルト「ローマ書講解」を解説するなど、キリスト教思考の鋳型に触れられる一冊。 想像するには読書が必要だ2018/07/18