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小説の思考―ミラン・クンデラの賭け

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582703511
  • NDC分類 989.5
  • Cコード C0010

出版社内容情報

思想を捨て小説を書くことを選んだミラン・クンデラ。作家の知己であり、ほとんどの翻訳を手がけた著者が記す稀有な作家論。

西永 良成[ニシナガ ヨシナリ]
著・文・その他

内容説明

翻訳者がみた作家・作品を介した対話。「近代のイメージとモデル」であった小説に賭け、「実存の未知な部分」を探ろうと果敢な挑戦をつづける「反現代的なモダニスト」の半世紀の軌跡。ほとんどの作品を訳したからこそ書きえた「個人的」クンデラ論。

目次

第1章 小説の発見(前史;小説への途―実作以前の小説概念;『小説の技法』―実作者の小説観;クンデラとカフカ)
第2章 小説の創作1―チェコ時代(短編集『可笑しい愛』あるいは性をめぐる人間喜劇;『冗談』あるいは社会主義の経験の実存的決算;『生は彼方に』あるいは反抒情詩としての小説;『別れのワルツ』あるいは終末論的なブラックユーモア)
第3章 小説の創作2―フランス亡命時代(『笑いと忘却の書』―小説の新しい形式を求めて;『存在の耐えられない軽さ』あるいは未経験の惑星;『不滅』あるいはフランス小説)
第4章 小説の創作3―フランス語表現の時代(表現言語の変更;フランス語による小説)
第5章 小説的エッセー(『裏切られた遺言』;『カーテン』と『出会い』;クンデラとサルトル;クンデラの反ヒューマニズム?)

著者等紹介

西永良成[ニシナガヨシナリ]
1944年富山県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

28
図書館の新着図書の棚に並んでいるのを見て、収集家根性だろうか、クンデラは未読なのにクンデラ論のこの本を手に取った。 最近、想像力が涸れ果てたせいか、小説は敷居が高くなってしまったからかも知れない。 思いがけず当たりだった。 簡潔で、明晰な文章は、読んでいて心地良く、しかも味わい深い。 2016/07/19

刳森伸一

7
ミラン・クンデラの小説を執筆順に追いながら、クンデラの「思想」や「思考」を分析していく。改めてクンデラの言葉が現代社会の問題に対して重要な認識を与えていることが分かる。2016/04/27

アシモ

0
クンデラの作品の理解不足だった部分をとても助けてくれた。未読の作品があることもわかりなんとか制覇したい2017/10/07

novutama

0
著者はクンデラのフランス語テクストを翻訳してきた人。その豊富な文学的素養から、「翻訳者は小説家を裏切る」と言い放つクンデラの信頼をも勝ち得たとのだと思われる。クンデラ作品を書かれた順に丁寧に辿るのだが、彼の小説はあらすじを書いたところで、なんの理解にも繋がらないから厄介だ。引用しながら、クンデラの小説に通底する思考そのものを炙り出す。「小説のストーリー自体が一種の「カーテン」であり、その陰にこそ「人間の本性」が潜んでいる。そしてこのカーテンを引き裂くことで暴かれる無意味さこそが私たちの境遇ではないか。」2016/11/30

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