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出版社内容情報
来るべき鬼才によるシュルレアリスム論。ブルトンを中心とする磁場の集合論として運動の全貌を描き前衛の問題を思想史的に問う力作。
内容説明
シュルレアリストは互いに痙攣を贈与しあう「真実と現実の齟齬」としての痙攣。二十世紀最大最長の芸術思想運動の核心を、ブルトンを中心とした磁場の集合として描き、その硬直した思想史的位置づけの書き換えを、静かに、そして強く迫る瞠目の書。図版多数。
目次
1 痙攣者たちの契約(ジャック・ヴァシェ幽霊になる;誰がフィリップを殺したか;顔の露呈、あるいは痙攣する現在;スミレと毒薬―社会表象について ほか)
2 複数性のモラル(『ナジャ』、あるいは複数性のモラル;顔の漂流、あるいは幽霊になる方法;根拠なし―「数え上げ」について;君の口に金魚―集団遊戯について ほか)
著者等紹介
鈴木雅雄[スズキマサオ]
1962年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。パリ第7大学博士課程修了。早稲田大学教授。シュルレアリスム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王天上
3
シュルレアリスム絵画はよく観ていたが、どんな活動をしていたのかは把握していなかったが、いきなり深く切り込んだ本を読んだようだ。ますます興味がわいてきた。さて、次はどんな本にあたるかな。2013/05/21
Skel_san
1
「ブルトンはナジャのデッサンを見つめる。すると彼には、それがこれほどにも重要であるのは、デッサンそれ自体に価値があるからか、あるいはナジャが描いたことを知っているせいなのかわからなくなってしまう。いやそもそもどちらなのかと問う必要を感じないのかもしれない。作品でも落書きでもないもの(もちろん落書きのなかに偶然発見された思いがけない作品などでは断じてないもの)。――人が本当に重要だと思うものとは、結局そんなものでしかありえない。2014/03/18
t78h1
0
シュルレアリストたちは持続のなかで差異化される。 シュルレアリスムは目前にあるものが作品なのかどうか「よい」か「悪い」かを語るべきかわからなくなる地点を探し求める。退いて全体を眺めようとするのではなく、事件に限りなく近づいてその思考をシミュレートしようとする。2011/03/31
KinugawaNZ
0
この本は何だ。どういうことだ。この本によって指し示された痙攣に痙攣する。2009/11/26