出版社内容情報
アカデミズムに頑固に反抗し続けた大美術史家が70歳を迎え、ゆったりと寛いで、ジョット、ボッティチェリ、ベラスケス、ティエポロまで、12の珠玉の降誕図を語る、聖夜の素敵な贈り物。
内容説明
西ローマ帝国末期のモザイクから、ジョット、ジェンティーレ、ボッティチェッリ、コッレッジョ、ティントレット、ベラスケス、ティエポロまで、すべてを知りつくした老美術史家が静かに語る、珠玉のキリスト降誕図12点。
目次
皇帝のモザイク
本質を描くジョット
スウェーデンの聖女ビルギッタの幻視
東方の息吹
十五世紀のおとぎ話
メディチ家へのオマージュ
光の流れ出るところ
壮大な構想
リアリズムの徴のもとに
オランダのカラヴァッジョ
貧しき者たちへのお告げ
ヴェネツィアの輝き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
54
再読:美術史家フェデリコ・ゼーリが厳選した珠玉の降誕図。宗教的な知識を補完しながら、絵画をより身近で楽しい存在にしてくれる素敵な一冊。日本のイベントとしてのクリスマスとはまったくの趣を違えて、主の生誕を厳かに、慈しみ、祝福している美術の数々。改めて降誕図と東方三博士の礼拝の画題としての魅力を感じることができる。ウフィツィにあるファブリアーノの圧倒的な祭壇画とボッティチェッリのメディチ家のオマージュを含んだ三博士の礼拝はいつかぜひ実物をこの目でしっかりと眺めたい。2015/12/23
ラダー
7
イタリアの老美術家が選ぶクリスマスの絵。選ぶというか、全てキリスト降誕図です。世界各地のキリスト降誕図をローマから近代までを解説。ひとつのテーマの絵だけを集める本というのは、なかなか珍しく、その道の老美術家の解釈も楽しめるとは贅沢な本です。私が最も惹かれたのは、コッレッジョの「キリスト降誕(聖夜)」。光輝く幼子イエスの荘厳さがまぶしいばかりで、本当に素晴らしい作品です。以降この着想は繰り返し他の作品に流用されるも、成功を収めたのはこの一枚のみと断ぜられるのも納得の1枚。この絵を忘却することは難しい。2019/01/12
二藍
4
キリストが降誕した日、としてのクリスマス絵画集。イエス・キリストが生まれ、礼拝のために三人のマギがやってくる。人々はまぶしそうに幼子を見つめ、その頭上では嬉しそうに天使が舞っている……。信じて、理解しているわけでなくても、なんとなく、敬虔な気持ちになる。特に好きな二点→コレッジョの《キリスト降誕(聖夜)》……「ただ愛と光をその境とするところ」というダンテの詩句がよぎるような。ゲラルド・デッレ・ノッティの《幼子イエスの礼拝》……なんてみんなやさしい顔をしているんだろう。クリスマスのプレゼントにもいい本かも。2015/11/07
ゆーり
4
表紙借り。今まで読んだ、日本人のクリスマス感、キリスト教感と違い、中にいる人の感覚が新鮮。個人的にコレッジョの作品が好きなので、やはり柔らかいタッチで描かれてるのを見るとほっとする。2013/12/17
SK
2
クリスマス絵画の小冊子。イエスの生誕を描いた絵画だけをまとめている。2020/12/25