出版社内容情報
宮中(皇室)で用いられた品々に施された意匠の数々は、日本のデザイン史において貴重な資料といえる。近世から近代の工芸品を約150点掲載し、各作品の由来や文様を解説する。
内容説明
皇室で受け継がれてきた雅やかでモダンな意匠。有職故実に精通した著者による宮廷の文様入門!江戸から平成までの御下賜品150点以上を掲載。
目次
1 食器(御料食器の御下賜;御所の食器 有田焼と粟田焼 ほか)
2 引出物(祝典の引出物)
3 文具・調度(御下賜の品;表向と奥向 ほか)
4 装身具・喫煙具(喫煙の習慣)
5 服飾(装束の意匠;伝統と新しい意匠 ほか)
著者等紹介
八條忠基[ハチジョウタダモト]
有職故実研究家、綺陽装束研究所主宰。古典文献の読解研究に努めるとともに、「有識故実」の知識を広め、いまも脈々と継承されていることを伝えつつ、現代人の生活に活用するための研究・普及活動を続けている。全国の大学・図書館・神社等での講演多数。著書も多い。日本風俗史学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
50
江戸時代から近代に至るまで宮中で使用されていた品物を紹介。菊などの天皇家に所縁のある文様を取り入れながらも日用品なので豪奢なものではなく、奥ゆかしいデザイン性が光る。ボンボン二エール(ボンボン入れ)のデザイン性は今でも通用する程、華麗である。また、皇族女性がお召しになっている着物やドレスのデザインが良く見てみると文様があったりする細密美に唸るしかない。そして食器は毎月1日で取り替えられ、その後は下賜されたので残っているものも多かったという事実が何とも贅沢だ。2022/03/01
宇宙猫
22
★★★★ 江戸時代から現代まで、宮中で使われている食器や調度品などの紹介。伝統的な図案や文様が日本文化の歴史を感じさせ、職人の技が豪華さを際立たせている。象牙に蒔絵が施された扇子は驚くような作品で現物が見たい。近年は簡素になっているとのことだが、技術の継承の為にも皇室には使い続けて欲しい。2022/11/25
蒼
22
皇室の方々が使ってこられた食器の美しさ、淡麗さに眼福のひと時を味わう。平成2年の大嘗祭饗膳に使われた食器のすっきりした潔さに暫し目が離せなかった。菊の紋様がなかったら日常生活食器に使いたくなってしまうなぁ。2022/05/20
遠い日
6
以前、ボンボニエールをまとめたものを見て、そのデザイン性の高さ(当然か!?)に感動しましたが、こちらは宮廷のさまざまなものの文様、意匠を紹介するもの。美しいのはもちろん、どこか愛らしく上品で、凛としながらも温かみを感じるます。下賜されたものの数々、こんなに残っているのですね。2021/12/15
aoto
3
天皇家の菊模様が定着するまでの経緯がわかりやすく描かれている。綺麗で明るい写真とともに語られる日本の宮中のしきたりや、解説がためになる。資料として最適で、勉強にもなるので素敵。2022/01/03
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