出版社内容情報
整然と並ぶ京町屋大きな塀の向こうの一軒屋。その奥に潜む隠れ庭を庭師が訪ねる。魅惑の庭15件を厳選、作庭の意図を徹底解剖する。
内容説明
“樂家”の3つの茶室につらなる端正な露地庭。“瓢亭”では庭内を小川が楚々と流れ、京町家“冨田屋”の奥には壷庭が6つも―。他にちおん舎、無名舎、町宿・枩邑、二條陣屋、松本酒造など、庭師が選ぶとっておきの16軒、誌上にて一挙公開。
目次
京の真髄は庭にあり
樂家―上京区油小路通一条下ル
二條陣屋―小川家 中京区三坊大宮町
小島家―中京区 百足屋町
無名舎―吉田家 中京区六角町
冨田屋―田中家 上京区大宮通一条上ル
N家―上京区御所東
瓢亭―左京区南禅寺草川町
総本家ゆどうふ―奥丹清水―東山区清水
ちおん舎―西村家 中京区衣棚通三条上ル
山本本家―伏見区 上油掛町
半兵衛麸―東山区問屋町通五条大橋
有斐斎弘道館―上京区元土御門町
松本酒造―伏見区横大路三栖大黒町
二条苑―がんこ 中京区木屋町通二条
町宿・枩邑―伏見区京町
万や―生谷家 上京区室町頭竹園町
著者等紹介
小埜雅章[オノマサアキ]
京都庭園室。1947年生まれ。一級造園施工管理技士。1979年京都庭園室開設。清浄華院、浄篤院、清蓮寺、日本ヨーガ禅道院、浄祐庵、玉泉庭露地などの寺院、お宿山翠、ホテル伊那華などの庭園のほか、多くの住宅庭園を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
12
幕末の私塾弘道館の跡とか京都の裁判所長官の御所と同じ水源と使った庭とか。小さな坪庭が中心で、すべての庭の見取り図があるのがよかった。全ての庭に打ち水がしてあって、京のこういう庭の写真はやっぱり水が大事なんだなあと思った。自分とは住む世界の違うお庭ばっかりだなあと思いつつ、…あれ、なんか見覚えがあるという庭がひとつあって、町宿として以前に泊まったところだった。とても美しくて、苔も杉もきれいでいいところだった。泊まった晩に熊本で地震があって、やっぱり揺れはすごかったかな…。また行きたくなった。2018/08/05
やどかり
11
お寺などの有名な日本庭園もいいが、町屋の壺庭、奥庭、通り庭もいい風情。暑い京都の夏を過ごすための風の通り道であり、狭い町屋の明かり取りという実用性と、それだけに留まらず、絵となり物語があり、芸術的でもある。次回京都へ行く時には、こんな庭を眺めながら、お食事できるお店に行ってみたい。2015/06/28
きのたん
2
しっとりとした壺庭は、なぜセイタカアワダチソウでいっぱいにならないんだろう。毎日抜いているとも思えないし。意外にシュロ竹が多い。ヤツデはツンツルテンにしても低木だしね。風通しのためか。京の庭木はみんな活きが悪そうに見えるのはなぜだろう。水気もバッチリ。日当たりかな。2024/02/26
Gen K
2
日本庭園の凛とした雰囲気 自然を表す技術はやっぱり凄い。 南禅寺のくずや 木屋町通二条のがんこ 万屋の光琳の庭(2013)なんかは、なかなかコンセプチュアルにみえるし、青石橋なんかは、とても美しく、わざとモノクロ写真となっていて、にくいと感じた。 終始、掃除、手入れが行き届き、濡れた石畳に魅せられる。素直にいってみたいなぁと思った。2022/05/14
morimama
1
9月に京都に行きお庭もいくつか見たが、観賞の仕方が分からずもったいないことをした。その後新聞でこの本を知り読んでみた。思いがけずはまった。とても面白い。分かりやすく専門用語も解説があり、写真と作庭図を見比べなるほどと感心しながら読みふけった。京都に行ってから日が浅いため聞き覚えのある通りや屋敷の名前がいくつもあり余計に身近に感じられた。日本の庭の美しさがほんの少し理解できた気がする。とにかく写真が美しい。一般に公開されている庭ではないのでなかなか見る機会はなさそうだ。2014/11/01