内容説明
笑う顔には福来たる。滑稽やおどけ、ユーモラスな絵や工芸品に仕掛けられた「笑い」の壷。
目次
笑う顔には福来たる―喜色満面の布袋さん、晴れやかな姿が滑稽だ
俳画 句と絵でWニコニコ―俳画はウイット、戯画はユーモアを目指しているよ
曾我蕭白の摩訶不思議な笑い―横尾忠則が命名の、ケロリンの顔がすごいです
笑いの奇才 耳鳥斎―宮武外骨も岡本一平もあこがれた、漫画の元祖のセンス良さ
タレ目の歌仙に太っちょ叔父さん―江戸琳派・酒井抱一が絵筆をとれば、どんな顔でもユーモラス
河鍋暁斎 奇想天外な笑い―もう、泣きたくなるほどおもしろい、驚きの暁斎ワールド
妖怪・百鬼夜行もよくみると…―夜な夜な眠るころには現れる、魑魅魍魎のおもしろさ
浮世絵で楽しむ笑い絵―浮世絵師たちが勢ぞろい、遊び心をくすぐるぞ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へへろ~本舗
7
滑稽画がメインだが、シリアスっぽくてこれは笑えないなと思うような絵もあったりして。笑いと恐怖は紙一重なのか百鬼夜行や妖怪絵もあって楽しめる。あ、春画も少々。2016/07/17
rumi
5
江戸から明治にかけての笑える絵画・浮世絵・工芸作品たちが収められている本書。大好きな河鍋暁斎の作品も数点ありもちろん数々の作品の中でやはりピカイチ冴え渡っている!擬人化された動物や奇妙な妖怪や鬼の姿はいくら見ても飽くことが無い。笑いの中に込められた世情への鋭い風刺や笑いへの飽くなき探究心が現代の私たちをも虜にするのだ。2013/02/05
takakomama
3
グロテスクなものもありますが、満面の笑みや、ユーモラスで楽しそうだったり、滑稽な絵画や浮世絵、工芸品などを観ていると、私も笑顔になります。ゆるさが良いです。2020/11/23
果てなき冒険たまこ
1
どっちかというと世界的にも何考えてるか分からないとか微笑みが不気味とか言われて評判の悪い日本人の笑顔。初めて河鍋暁斎の絵を見たとき、描かれた動物も人間もみんな楽しそうに笑っているのを見て、今の日本人ってこんな楽しそうに描写してもらえるのかなぁとずっと思ってる。 江戸末期から明治にかけて本当に日本は楽しかったのか、絵の中くらい楽しくしなきゃやってられないよなのか、本当はどっちだったんだろうね。2021/12/21
つかちん
1
浮世絵をはじめとした日本美術は昔の日本人のユーモアを体現したものであると感じられます。特に春画は性の奔放さがおもしろおかしく描かれていて大変興味深いです。今より昔の方が開放的では?と感じられます。色づかいがとても鮮明で西洋の画家が日本美術を好んだ意味が分かります。また、美術展行こうかな。2017/05/31