内容説明
たび重なる苦難にもめげず、大著『アンボイナ植物誌』を完成させた〈インドのプリニウス〉ことルンフィウス。植物分類学者にして『セネガル旅行記』の著者アダンソン。広大なロシアの大地を踏破した大博物学者パラス。三人の事績にみる近代生物学の黎明。
目次
第1章 〈インドのプリニウス〉―ゲオルク・エーベルハルト・ルンフィウス(栄光のオランダ;博物学フィーバー;自然誌編纂の計画;相つぐ悲劇;『アンボイナ珍品誌』の反響;『アンボイナ植物誌』の刊行)
第2章 バオバブ樹の博物学者―ミシェル・アダンソン(人為分類と自然分類;セネガルへ;熱帯気候のもとで;分類の普遍妥当な方法をめぐって;故国へ:『植物の諸科』の刊行;研究と執筆の日々を生きて)
第3章 ロシアの大地から―ペーテル・ジーモン・パラス(知られざる大国;若き博物学者の夢;南ロシアの調査;探検の成果;比較言語辞典の編纂;クリミアへの旅と移住;業績の性格と評価)