出版社内容情報
実は「万有引力」という概念も、こういうオカルト的世界観から生まれてくるのである。平凡社は先に、ニュートン伝の決定版といわれる、リチャード・S・ウェストフォール『アイザック・ニュートン』(上下各八四四七円)を出しているが、これも読みあわせるとはよいだろう.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』86頁、より)
内容説明
成り上がりの荘園領主の跡取りとして生まれたこの男が目指した自然哲学は、本当に近代科学だったのだろうか。ニュートン伝の決定版。
目次
第1章 新しい世界の発見
第2章 冷静でもの静かな思慮深い少年
第3章 孤独な学究
第4章 運動による問題の解法
第5章 驚異の年
第6章 ルーカス教授
第7章 出版と危機
第8章 反逆
第9章 沈黙の歳月
第10章 プリンキピア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
爐
3
数学から錬金術までニュートンの航跡が丹念に辿られている。1巻はプリンキピア出版あたりまて。とりわけニュートンの数学的発展が細かく辿られているのがよい。数学を学ぶのは大学に入ってから、独学でおよそ一年で、古典幾何学もまともに勉強しないまま、デカルト代数幾何学や無限級数といった当時の最先端の数学に通暁するに至ったのには驚く。知ってはいたものの、細かいエピソードを知るにつけ、なんて扱いにくい人なんだという……。フック、ライプニッツなどとの確執の火種を着実に作っていく手紙の対応は他の偉人では味わい難いアレがある。2014/12/14