出版社内容情報
若くして豊臣政権の「五大老」に大抜擢された宇喜多秀家。その人物像の再評価を試み、中近世移行期の特徴を浮き彫りにする。
内容説明
関ヶ原合戦がなかったら、あるいは「西軍」が勝利したら―。時世の変転に翻弄され、漠然と不運の印象をもって語られがちな秀家の実像を、中近世移行期の特質のなかで解き明かす。
著者等紹介
大西泰正[オオニシヤスマサ]
1982年岡山県生まれ。2007年、京都教育大学大学院修了、専門は織豊期政治史。現在、石川県金沢城調査研究所所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
15
同じ著者でちょっと前に角川新書の「宇喜多秀家」本があったよなと思いながら読み始めたが、こちらはより濃い中身というか、前著の応用編という趣き。時代のあだ花的な扱いから昇華し、近世への移行期を代表する研究材料(北条氏や武田氏のような感じでしょうか)に宇喜多氏を位置づけようとする著者の熱意が伝わる。個人的には秀家の出世を通して豊臣政権の独裁性を論じた章が興味深かった。また渡邊大門氏の一連の宇喜多本をけちょんけちょんにしているので、なかなか衝撃を受けたところ。2020/10/04
Book Lover Mr.Garakuta
13
凄く個性的な人だ。2020/12/04
フランソワーズ
5
豊臣政権における秀家の特異性の中でも、秀吉と宇喜多が相互補完で毛利戦線を戦い抜いた、そしてそれが後の秀家の立場を規定したというのは説得力がありました。また宇喜多騒動や関ヶ原の戦い後の秀家に関しても執拗と言えるほどに、吟味された史料を読み込むことで、”一般的にはマイナーな宇喜多秀家”の実像を迫っていると感じられました(中でも秀家の人間味を浮き彫りにしたところは興味深い)。→2021/09/23
チューリップ
4
家にあったので読んでみる。宇喜多秀家のやってきた事をまとめた本。武将の中ではマイナーらしくあまり資料もないと書かれている通り著者の別の本でも同じ事書いてあったなと思った。文章は読みやすいので内容が難しいとも思わなかったので武将の入門には入りやすそうだと思った。2022/06/09
史
3
秀家よりも、その周囲の人間の動きが何処か面白く。しかしながら、大坂の陣に泳いで参ったとしても、中々難しい立ち位置だったのは違いない。2020/10/18