パリのメスマー―大革命と動物磁気催眠術

パリのメスマー―大革命と動物磁気催眠術

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  • サイズ A5判/ページ数 266p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784582474213
  • NDC分類 147

内容説明

新しき科学か、イカサマか。1778年2月、大革命前夜のパリに、ヴィーンから一人の医者がやってくる。この男、フランツ・アントン・メスマーとは何者か。民衆から貴族までをとりこにした〈動物磁気催眠術〉とはいったい何か。ルソーとは異なる、急進思想のもう一つの鉱脈を発掘する。

目次

1 大革命前夜の熱狂―メスメリスムと民衆科学
2 メスマー、パリに到着す―メスマー派の活動
3 アカデミズムへの挑戦―メスメリスムにおける急進的傾向
4 〈原初の調和〉をもとめて―急進的政治理論としてのメスメリスム
5 メスマーからユゴーへ―19世紀のメスメリスム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジョンとらぼるた

3
フランス革命において民衆に広く知られたとされるルソーの『社会契約論』は、実は民衆にほとんど読まれていなかった。ルソーの『社会契約論』の思想を民衆に伝えたものは、動物磁気催眠術であった。動物磁気催眠術はバルザックやユゴーなどの小説家、フーリエなどの科学者の思想に多大な影響を与えた。はたまたナポレオンが動物磁気催眠術者に助言を求める(一説による)まで、フランス内で100年余りもの間流行し、生き延びてきた。それは、理性から自然へとの変遷も深く関わっていた。革命後の動物磁気催眠術信奉者の動きなども記述される。2012/11/28

印度 洋一郎

2
18世紀末のフランスで突如大流行した動物磁気催眠術。今では只のトンデモ学説にしか過ぎないが、何故か知識人、貴族、そして庶民にまで大いに広がる。有識者にはインチキ扱いされるが、それが却って在野の知識人や庶民層の熱い支持を生んだ。後には、「人間が平等で無いと健康になれない」という拡大解釈によって、人気の無かったルソーの思想を広める材料にもなっていく。革命後は神秘主義的な傾向を強め、バルザックやユゴーといった19世紀の知識人達にも影響を与えていた。エンターテイメント性のある疑似科学は、多くの人を引き付けるのだ。2013/01/19

monado

1
18世紀末のパリで突如大流行した催眠術の隆盛と凋落、それがフランス革命やその後の思想等に大きく影響を与えていることを分析している。ヒポコンデリーをヒコポンデリーと誤植してるところがあって混乱した。2012/02/18

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