内容説明
19世紀アメリカの労働者の世界。振子は私をせめたてる 働け もった働けと。時計の音は 怒ったボスのよう……。時計は私を〈機械〉と呼び 〈縫え!〉と命ずる。19世紀〈約束の地〉ではじめて機械と出会った人びとの生活と夢。
目次
1 機械とはじめて出会って―工業化と労働者の文化(1815~1919年)
2 神の国の労働者―金ぴか時代のプロテスタンティズム
3 黒人組合活動家デイヴィスの世界
4 ぼろから富への「神話」の現実―1830~80年
5 産業資本家は町を支配したのか―19世紀工業都市における階級、地位、地域権力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
アメリカの社会学者による、19世紀初頭から20世紀初頭までの一世紀間のアメリカの労働者や労働運動に関するエッセイ集。工業化以前の社会に生きてきた人間達が、工場労働に適応にするのがいかに大変だったかが随所に描かれている。時間通りに働く、機械に囲まれて過ごす、どれも当時は異常な環境だった。そして、意外なのは当時の労働運動がキリスト教と深く結び付き、神の正義を実現するためと称してストライキやデモをしていたという。但し、エッセイといっても専門的な内容であり、訳文が堅い感じもするので、読み易くはない。2012/12/09