感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
ロシア革命から30年代までのソ連の農村の激動の変遷を概観した本。20世紀になっても丸太小屋で暮らし、商店も新聞も電気も無く、医者の替りに祈祷師を頼り、精霊や悪魔が日常生活に跋扈する中世さながらの、都市とは別世界のもう一つのロシアの実態は驚き。しかし、それでも曲がりなりにも機能していた農村が、ボルシェヴィキの集団化によって、壊滅していく。やる気の無くなった農民と、私腹を肥やす党官僚しかいないコルホーズでは生産性がガタ落ち。そこに強要された都市への根こそぎ食糧供給によって、大飢饉がやってきた。恐るべき歴史だ。2013/03/11