出版社内容情報
昨今、日本歴史界隈では関ヶ原合戦の実態を巡る議論が激しさを増している。その中心的存在である著者がこれまでの論点を整理、新たな視点から透徹することで実像に迫る。
内容説明
いま大きく崩される、家康vs.三成の対立軸という“伝説”。実態はどうだったのか、新しい論点を提示する。
目次
プロローグ―関ヶ原合戦をどのようにとらえるか
第1章 豊臣七将襲撃事件はフィクションである
第2章 関ヶ原前夜―イエズス会宣教師の透徹した政治分析
第3章 関ヶ原合戦―イエズス会宣教師の明晰な戦争分析
第4章 大垣城攻防戦に関する保科正光の戦局シミュレーション
第5章 関ヶ原合戦に関する一次史料を読み解く
第6章 「関ヶ原」で戦った藤堂高虎隊と大谷吉継隊
エピローグ―関ヶ原合戦から大坂の陣へ
著者等紹介
白峰旬[シラミネジュン]
1960年三重県四日市市生まれ。85年、上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。98年、名古屋大学にて博士(歴史学)の学位取得。現在、別府大学文学部史学・文化財学科教授。別府大学アジア歴史文化研究所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
10
つい最近419回目の「その日」であった関ヶ原の合戦研究の最前線に立つ著者の新著である。『イエズス会』の記録を用いて、関ヶ原の合戦を研究しているわけであるが、一読した感想は「イエズス会士は随分政権中枢にまで入り込んでいたのだなあ」と妙な感想を抱いてしまった。また、世評の高い黒田如水は上方の状況が掴めず、どう動くか迷っていた事など「言われてみればそうだな」と、納得させられた。昨日も明日も定かならぬ、闇の中を命懸けで歩む武将たちの姿は、やはり趣深いものである。2019/09/20
onepei
5
前作の増補といってもよいか。 この本に限らず、この時代の研究はイエスズ会の記録を引用することも多いが、その信用性は?とたまに思う。当時の社会を考えれば、京都の公家の日記と情報の精粗は変わらないのかもしれないけど。2019/09/22
オルレアンの聖たぬき
2
ますます思う。軍記物は軍記物、事実は事実、切り離していかないと歴史がねじ曲げられる。昔の人の生き方が勝手に変えられてしまう。一次資料を読むことの大切さがよくわかる。2019/10/31
インテリ金ちゃん
1
関ケ原の全体像が覆されるのかと期待したが、部分的に留まりちょっと残念。勝者が歴史を書き換えてしまうのはいつの世も同じ...2019/12/14
カズ
0
小説ではなかったのは想定外だが、通説とは異なる関ヶ原の戦いを知ることができた2020/03/20