出版社内容情報
約1200年に及ぶ京都の悠久の歴史を、多数の古地図と丹念な解説によって再現。歴史地理学の泰斗による京都古地図研究の決定版。
金田 章裕[キンダ アキヒロ]
著・文・その他
内容説明
日本最古の地図から明治の近代測量図まで、京都市街地1200年の様相。平安京から現在の観光都市へとその姿を大きく変えていった、京都の深く長い歴史を古地図によって通覧する。
目次
第1章 宮廷人と貴族の平安京(碁盤目状の街路と邸第―左京図と右京図;宮殿と諸院―宮城図と内裏図)
第2章 平安京の変遷(認識と実態;京の道、京からの道;洛中の町と洛外の町;御土居と間之町―外形と街路の変化)
第3章 名所と京都(洛外の名所;コスモロジカルな京都―山と川に囲まれた小宇宙)
第4章 観光都市図と京都(多色刷りの京都図;観光都市図の内裏と公家町;多彩な観光地図―両面印刷と街道図の主法;多彩な観光地図―鳥瞰図と新構成への試行)
第5章 近代の京都図(銅版刷りの京都図―京都と学区;地筆と地番―地籍図;近代測量の地図;京都の近代化と地図;大縮尺図と鳥瞰図)
著者等紹介
金田章裕[キンダアキヒロ]
1946年富山県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。文学博士。専攻、人文地理学。京都大学名誉教授。京都府立総合資料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
11
2016年第1刷、平凡社の単行本。京都を描いた地図そのものの解説が主で、地図から読み取れる京都について解説した本ではない。京都は平安時代から中心であっただけにいろいろな地図があったらしい。江戸時代には実務的な地図よりも観光地図が多く残っているというのは面白い。実務的な地図は外に出てこないからかもしれませんが。どちらかいえば前半の平安京の推移について解説している部分の方が退屈だった。2022/10/26
六点
11
高辻通を車で走る。新町通から西洞院にかけて結構な高低差がある。昔、ここに川があったことを物語る…という、本ではなく、地図作成者の意図、そしてその世界観を地図から読み取る試みである。平安貴族にとっては、「方形の都」である京都という観念は、大路の末端が周辺の条里と食い違っている現状を無視してでも、維持されなければならぬものであった。江戸期に入ったら、京都所司代が変わる度に律儀に改編する地図や、実測図が現れるなど、社会を映す鏡になり、観光図もでるようになった。まさに「地図から見る京都と日本史」である。2019/12/17
アメヲトコ
7
京大図書館に寄贈された「大塚京都図コレクション」を中心に、さまざまな京都図を紹介した一冊。多くの図を紹介することが主眼なので、事典的に利用するには有用な本ですが、ただただ図の解題がひたすら続いていくので、読み物としては極めて退屈で睡眠薬代わりに最適です。ですます調もかえって読みにくいのでは。2017/11/03
田中峰和
4
醍醐天皇の命により藤原時平が中心となり編纂を始めた延喜式は927年に完成。50巻におよぶ延喜式の42巻におさめられたのが平安京の地図。大内裏の中心、朱雀大路から右京と左京に分かれた市街の通りが描かれている。左京図には大宮、堀川、西洞院に三本の川が描かれているが、現存する堀川は平安京造営にあたって自然の河川を改修した運河。当時幅20mもあった西洞院通の西側にそって川が流れていたが、今や全て暗渠となっている。さて大宮通だが、川が流れていたのは初めて知った。千年以上前の地図と同じ通りが現存する古都は素晴らしい。2017/03/06
takao
1
☆方形・方各の都市プランって、人工的・非人間的な気がするが。2017/04/22
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