南部軍―知られざる朝鮮戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 573p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784582456028
  • NDC分類 929.16
  • Cコード C0022

内容説明

東アジア現代史の画期をなす朝鮮戦争。その秘められた真実を、渦中の人物が生きいきと再現するヒューマン・ドキュメント。朝鮮戦争(1950~53)は、単に“北から南への侵攻”であったわけではない。戦争に先立つ1948年、南北分断の二つの国家が樹立されるころ、「北はリンゴ、南はスイカ」というたとえがあった(北朝鮮は表面は赤いが、中身つまり民衆は白く、南はその反対)。本書は、南=韓国の「スイカ」の赤い中身―米軍政や李承晩政府の下で、社会的正義を求めてやまぬ人びとが、朝鮮戦争のなかで北と呼応しつつパルチザンとして戦った、第一級の証言である。農民、学生、女学生、詩人、旧日本軍あがりの軍事指導者など、実に多様な若者たちが参加した韓国各地のパルチザン部隊の生態。彼らをリードする南朝鮮労働党と、呼応する北の労働党との協調と不協和音。パルチザン同士の恋と別れ、山から山へ渡り歩きながらの血みどろの戦い、食糧補給のきびしさ等々―極限状況に生きた人びとの類いまれな記録である。今日に至るまでの南北の関係、とりわけ北のあり方を考えるうえでも、多くの示唆に富む。また、パルチザンのなかにも生きている日本植民地時代の遺習など、日朝・日韓関係の証言でもある。

目次

猟雲山砦の頭領たち
蟾津江の晩秋
禿鷹兵団のころ
さらば回文山よ
徳裕山の黒い雲
南朝鮮パルチザン略史
小白山脈の夏
智異山の九十九折り
怒号する雪原
壊滅する南部軍
人間の住む世界へ

著者等紹介

李泰[イテ]
1923年韓国忠清北道生まれ。太平洋戦争末期に日本軍に徴用され、南方に従軍。46年帰郷後、ソウルの合同通信記者となる。50年6月25日「朝鮮戦争ぼっ発」の第一報をスクープ。北朝鮮軍の南下とともに、北の朝鮮中央通信記者に任じられ、やがて南朝鮮のパルチザン部隊に属す。のちに李鉉相の率いる主力部隊「南部軍」に転属し、智異山地域で活動、戦史記録係もつとめる。52年春、警察部隊に逮捕され、南原の収容所へ。特赦で出所後、60年代には野党の国会議員を一期つとめる。1997年没

安宇植[アンウシク]
1932年東京都生まれ。54年早稲田大学文学部中退。専攻は朝鮮近現代文学、朝鮮精神史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スカイバニラ

4
題名の「南部軍」とは朝鮮戦争時いくつか存在した共産パルチザン部隊の一つだそうです。著者のパルチザンになった経緯から捕虜になるまでの話が主な内容ですが、通信手段は人づてだったり、近隣住民から食料を略奪する事を「補給闘争」と言ったりとか、(バーン)「銃を暴発させてしまいました」「死刑!」とか、そんな当時のパルチザンの実態を知ることが出来る良い資料かと。韓国陸軍第8、第11師団がパルチザン狩りに投入されているのは知ってましたが、主にパルチザンの殲滅任務に当たったのは多少武装を強力にした武装警察隊だったそうです。2009/02/28

kitakama633

0
韓国で40万部のベストセラー、映画化もされた。知られざる朝鮮戦争というサブタイトルの通り、朝鮮戦争でのパルチザンの存在は知らなかった。マイナス20度を下回る冬山での生活は過酷を極めたであろう。日本人として、彼らの苦難をどう受け止めたらいいのか。2024/06/28

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