出版社内容情報
女児の間引きの近代史、戦時下華僑の民族意識、スパイ、映画に俗信まで、多角的に見えてくる近代中国の多様な表象と単一でない現実。
関根 謙[セキネ ケン]
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内容説明
間引かれる女児と留学する女子、因習に凝る閉鎖社会と都市のモダン、土着の信心と啓蒙の普遍、スパイと愛国、モダニズムとリアリズム、革命と反革命、郷土と脱域…人々が自らの生きる姿をそこにつぎ込んだ表象の世界をとらえ、その振幅と変遷から近代中国像を再考する。
目次
第1部 女性(近代中国と溺女問題;林徽因と培華女学校;日記体小説に描かれる女性同士の愛―廬隠「麗石の日記」論 ほか)
第2部 戦争(孫瑜映画のモダニティ―『おもちゃ』をめぐる、農村・女性・メロドラマ;日中戦争前期、サラワク華僑の救国献金運動と祖国の表象;魯迅とゾルゲとの距離―表象としてのスパイ及び「上海文芸の一瞥」講演の謎 ほか)
第3部 民俗文化(中国における「魔術的リアリズム」の文体―莫言『赤い高粱』を中心に;中国料理のモダニティ―民国期の食都・上海における日本人ツーリストの美食体験;近現代中国における民間信仰と「迷信」の表象―江南地方の場合)
著者等紹介
関根謙[セキネケン]
1951年、福島県郡山市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、博士(文学)学位取得。現在、慶應義塾大学文学部教授。専攻、中国現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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