草の根の軍国主義

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582454352
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0021

出版社内容情報

日本のあの戦争において庶民は指導者層に操られただけなのだろうか。未だ曖昧なままの民衆の内なる軍国主義を問い直した評論。

内容説明

気分が戦争に突っ走るとき。昭和史の本当に怖ろしい問題。あの昭和の戦争において、民衆は、指導者層や軍部に操られ踊らされただけだったのだろうか。「軍国主義」を支えた庶民の心のありようを問い直す、渾身の書き下ろし。

目次

1 私はどうして軍国少年になったか?
2 軍国主義とはどういう主義か?
3 忠ならんとすれば孝ならず
4 爆弾三勇士の神話
5 捕虜になったらどうしよう?
6 アメリカ人にわれわれはどう見えたか?
7 “東条さん”の演説を聞いた
8 気分は「忠臣蔵」
9 大東亜共栄圏のまぼろし

著者等紹介

佐藤忠男[サトウタダオ]
1930年、新潟県生まれ。国鉄職員、電電公社員を経て、57年以降『映画評論』『思想の科学』の編集長。62年に映画評論家として独立する。以後、平明かつ説得力のある文章で、映画をはじめ、大衆文化、教育などにわたる幅広い評論活動を展開している。とくにアジア、アフリカ、中東の国々との映画による交流活動は大きな業績を上げている。現在、日本映画学校校長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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shouyi.

5
終戦時14才、当時バリバリの軍国少年であった佐藤さんの戦争への思いが強く伝わってくる。なぜ勝てると思えないアメリカと戦ったのか、その時の気分を忠臣蔵につなげたや、東條英機という人間の見立て、アジア映画を観ての思いなど、評論の範疇に入れて読んでほしい一冊。2021/09/06

takao

2
ふむ2023/07/07

rockwave1873

2
1930年生まれの佐藤忠男が「日本の軍国主義は、日本人の多数の途方もないほどの従順さによって支えられていた。軍国主義は一部の軍国主義者たちだけのものではなく、草の根の広がりと深さを持っていた」という思いから、その時代の気分と、ものの感じ方方について書いた一冊。「内輪の争いに勝ち残っただけの構想なき指導者が戦争を拡大させ、天皇への一切の言説をタブーとする草の根軍国主義の存在が兵士に捕虜ではなく玉砕・自死を選ばせた。」と考察。足元は平和を脅かす事態が忍び寄っている。そんな時だからこそ読む価値のある一冊。2023/01/20

jinkan_mizuho

2
映画評論家による戦前・戦中と戦後直後の自分史。加えて、「軍国主義」や「大東亜共栄圏」といったものを映画を通して考察。 「アメリカ人にわれわれはどう見えたか?」の章で、日本の戦意昂揚映画をフランク・キャプラが「反戦映画」と言ったという点に、日本人との感性の違いに大いに感じるものがある。 その他、アジアの映画や映画人の話が興味深い。 過去を省みることで、未来について思索。そのための参考になる書である。 2012/03/29

Hiro

1
本書は極めて啓発的で卓見に満ちた良書だ。孝行と忠義という徳目についての分析、特攻隊の意味、捕虜を嫌う意識の考察、忠臣蔵の話、そして特に、戦争責任を一部の指導層のみには負わせにくい日本社会の特殊性、等々、戦中戦後の空気の体験者である著者の、素朴で柔軟で曇りのない目が捉えた日本人のイメージは実に面白く説得力がある。今まで腑に落ちなかった軍国日本の無分別で理不尽で向こう見ずな行動の一端がかなり納得のいくものになった。そしてその時々の庶民の意識、認識、思考フレームがいかに判断を誤らせるかということも痛感する。 2020/01/28

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