出版社内容情報
ポストコロニアル・グローバル化の時代を「故郷」「帰るべき場所」「安住の地」といった「本来的な場所空間」の喪失の時代と捉え、社会編成の新たな原理と可能性を探る新た人文科学の試み。
内容説明
「移動」から「近代」を再考する。帝国の解体と再編における“人の移動”を、社会科学と文学の越境の彼方へ探る。
目次
序章 移動のなかに住まう
第1章 “他者”の場所―「半チョッパリ」という移動経験
第2章 おきざりにされた植民地・帝国後体験―「引揚げ文学」論序論
第3章 「八木秋子日記」に幻の引揚げ小説をさがして―追放と再追放の物語
第4章 パラレル・ワールドとしての復員小説―八木義徳「母子鎮魂」ほか
第5章 絶たれた帰鮮の望み―ある安楽死を読む
第6章 ジェンダー・空間的実践・惑星思考―森崎和江の筑豊
第7章 越境する記憶―映画・植民地主義・冷戦
第8章 移動経験の創りだす場―東京島とトウキョウ島から「移民研究」を読み解く
著者等紹介
伊豫谷登士翁[イヨタニトシオ]
一橋大学名誉教授。移動研究、グローバリゼーション研究
平田由美[ヒラタユミ]
大阪大学大学院文学研究科教授。日本文学・文化研究、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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