内容説明
ユーラシア史の専門家が、五島とアジアの古代~近代のあゆみを追う。幕末に築かれた「最後の城」石田城への新たな視点など刺激満載。“日本の西のはし”五島列島の知られざる歴史。
目次
序章 日本の西端、波涛をこえた挑戦
第1章 はるかなる五島前史
第2章 モンゴル来襲と中世の五島
第3章 宇久氏の福江島移住と東アジアの海
第4章 秀吉の朝鮮侵攻と五島藩の苦闘
第5章 “世界史の時代”に築かれた城
著者等紹介
杉山正明[スギヤママサアキ]
1952年静岡県沼津市生まれ。京都大学大学院教授。専門はモンゴル史、中央ユーラシア史、世界史。主な著書は『クビライの挑戦』(朝日選書、サントリー学芸賞)、『モンゴル帝国と大元ウルス』(京都大学学術出版会、日本学士院賞)など。2003年司馬遼太郎賞を受賞、また2006年には紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zhiyang
2
実は五島列島の話はそこまで多くないので、五島列島旅行の予習がてら読んだ自分は少し肩透かしを食らった。むしろ、元寇など九州北部での異国との接触を軸に日本史の一側面を読み直してみる読み物といった感じ。著者はモンゴル史・ユーラシア史の専門家であり、一線級の歴史学者とはいえ日本史は専門外なのでそこは留意した方がいいとは思うし、福江島に言ったのも随分昔みたいだが、そんな突飛なことを言っているわけでもないし、繰り返しだがちょっと珍しい視点の歴史読み物としてならなかなか面白い。2016/02/16
takao
1
☆日本の西端。対馬は朝鮮半島の方に近いな。 2021/04/07
たてたてヨコヨコ
1
五島列島は遣唐使の時代から港として機能していたのか。対馬や壹岐の歴史も面白そう。2018/12/13
韓信
1
杉山正明が五島って…元寇か?と思いきや、学生時代の五島への旅を枕に、東アジアの視座から見た五島列島の歴史をひもとく歴史読み物。古代では日本の西端と認識され、遣唐使船の寄港地としての役割、宇久氏ら海の武士団の形成、元寇での被害、倭寇への参加、王直の到来、宇久氏当主も受洗したキリスト教の伝道、朝鮮出兵での苦労、海防論高まる幕末の国民皆兵的な軍事化と「最後の城」石田城築城など、東アジアの国際情勢に左右された五島の歴史を軽やかに点描しており、少々散漫だが、気軽に読めるわりには歴史のダイナミズムを感じられて面白い。2016/07/31
MORITA
0
"歴史屋のたわごと・・・"と銘打っているだけに、肩肘張らずに読むことができる。五島列島は行ったことがないので、この本を片手に旅してみるのも面白いかも。2015/03/13