出版社内容情報
人類にとって、シベリアとはどんな場所なのか?
人類史・民族文化・現代世界の3つの視点から展望し、
ソ連崩壊以降の文献や現地調査を踏まえて総合的に「シベリア」を捉える。
【目次】
内容説明
新たなシベリア史研究の基本書、誕生!!独自の文化と歴史を持つ世界の一地域という視点から、ロシアの一部でも日本人のシベリア抑留といった過酷なイメージでもない、先住民によるシベリアを知る。
目次
序 先住民の視点からの〈シベリア〉
第1部 人類史におけるフロンティア(極地への移動と適応;古代文化と国家との遭遇;民族・言語の分布と歴史)
第2部 寒さに応答する民族社会(不平等な狩猟採集社会;狩猟と牧畜;宗教と世界観)
第3部 人新世時代の困難と希望(植民地化と近代化;エスニシティと先住民運動;グローバル化と気候変動)
結 ロシア・ウクライナ戦争とシベリア
著者等紹介
高倉浩樹[タカクラヒロキ]
1968年福島県出身。東北大学東北アジア研究センター教授。上智大学文学部卒業、東京都立大学にて博士(社会人類学)号取得。専門は社会人類学、シベリア民族誌。第27回大同生命地域研究奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
8
最後のフロンティアと呼ばれるシベリアの歴史を学ぶ。2025/09/25
入道雲
8
今までシベリアとは何かをほとんど知らないままだった。本書で人類史という目線で民族や文化の歴史が実に多様であることを知る。寒冷地であることでどんな営みがあったのかなど興味深い。後半はソ連崩壊からプーチンによるロシアの変化に巻き込まれ、グローバル化や地球温暖化、そしてウクライナ侵攻まで触れている。 個人的にはもう少し地理的な切り口も読みたい気がするが、人類史であるので仕方ないか。2025/09/23
黒胡麻
1
3万年前から人類はシベリアの環境に適応し狩猟、漁労、トナカイ遊牧などで暮らしてきた。強く印象に残ったのは現代のグローバル化や気候変動との関わりだ。高い自殺率とアルコール依存。資源開発と先住民社会の複雑な関係。温暖化でシベリアが耕作可能になるなど脳天気な意見もあるが現地では永久凍土の融解による浸水などで被害を受けている現実がある。さらにプーチン政権ではソ連時代には曲がりなりにも認められていた多民族共生思想が後退しロシア中心の植民地主義が復活し、ウクライナ戦線では先住民が最前線へと送られている。2025/09/20
takao
0
ふむ2025/08/10