出版社内容情報
空海が中国から請来した宝の玉「如意宝珠」。珠にまつわる言説たちが重奏しつつ、室生寺、高野山の聖地性を編成する様をたどる。
内容説明
ある場所が“聖なる力”によって“聖なる空間”に変容されるそのなりゆきを、たとえば寺社の縁起が語る。そして“聖なるモノ”が、その言葉に力を与え、その聖性を持続させる―。空海が中国から請来した如意宝珠。この聖なるモノの由来を語り、その由来譚を解釈しなおす言葉の群れが、室生寺の、高野山の聖性を増幅する。歴史のなかに、その言説システムを丹念に解きほぐす。
目次
1 空海と如意宝珠(如意宝珠とは;真言宗における如意宝珠信仰 ほか)
2 室生山の如意宝珠(宀一山縁起の如意宝珠;如意宝珠の数と由来 ほか)
3 龍と如意宝珠(請雨経法と龍王;室生山における祈雨と龍王 ほか)
4 高野山の如意宝珠(高野山への如意宝珠埋納;空海入定と仏舎利 ほか)
著者等紹介
藤巻和宏[フジマキカズヒロ]
1970年、群馬県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、近畿大学文芸学部教授。専攻、日本古典文学、宗教言説史、学問史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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