内容説明
空白のベルギー時代の生ま生ましい記録「フランドル遊記」。ボードレール、ランボーに続く訳業「ヴェルレーヌ詩集」生前、詩人みずからはその存在を語ることのなかった紀行文と未発表の訳詩集を収録。
目次
フランドル遊記（ブルッセル市；ビールセル城；安土府；エスコーをのぼる；ニューポール迄；ティルルモン；ブルッセル記附録日記）
ヴェルレーヌ詩集（サテュルニアン詩集；雅びやかな宴；言葉なき恋唄；知慧；昔と近ごろ；献詩；気のおけない礼拝式；諷詩）
感想・レビュー
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とりから
4
国のために死ぬ位なら、世界じゅうにげまわってでも生きていますよーー。第二次世界大戦前夜、放浪の詩人・金子光晴はフランドルを旅する。中世的な生活がありありと残る街で、“良い葉巻”（国禁の酒の隠語）を飲む。蒐集家で良き友であるルパージュとの別れ、妻ミチヨとの愛情の終わり。変わっていく時代と、消えていくものを想いながら詩人はつぶやく。Mais, Merci, Bruxelles, Merci, Lepage, Merci Michiyo…..2025/09/20
