内容説明
薔薇の蕾に心を奪われた若者の愛の寓意物語―天上界、地上界、現世をめぐる知の遍歴、言説による中世の百科全書。中世ヨーロッパの代表的古典、写本を底本とした初の原典訳決定版。カラー細密画15点、本文挿図(15世紀木版画)83点を収録。
目次
1 「快楽」の園
2 ナルシスの泉―「愛の神」の教え
3 薔薇の蕾をめぐって
4 「理性」の勧告
5 「友」の忠告
6 「愛の神」の軍勢―「見せかけ」の弁明
7 「老婆」の忠告
8 攻撃開始〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
schelle
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編集できないので終わった方にしましたがこんな長いエロ本読めません2007/06/06
ターさん
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読書会の課題図書。作者が違うので、前半と後半は大きな違いがある。ギョーム・ド・ロリスの前半は中世そのものの「愛」の物語。ジャン・ド・マンの後半は、饒舌な登場人物が現実の世界を語り行動していく。友人は『薔薇物語』を読み解くにはスコラ哲学が欠かせないのではないか言う。全ての学問が神学と矛盾なく認識される。スコラ哲学とはすっかり忘れていた。ルネサンスの巨人ラブレーは、『薔薇物語』にまったく言及していない。読んでいないってことがあるだろうか。触れてはならない理由があったのか、それとも「愛」など眼中になかったのか。2024/10/29