内容説明
本書に収録された磯崎新、浅田彰によるテキストは、1991年から2000年まで世界の諸都市で開催された、建築と哲学を討議する“Any Conference”のために共同で執筆されたものである。巻頭に、現在の建築状況を解読する磯崎新の書き下し論考を収録。
目次
2009―“建築”/建築(物)/アーキテクチュアまたは、あらためて「造物主義」
1991―デミウルゴスとしてのAnyoneの断片的肖像
1992―Anywhere―空間の諸問題
1993―ともあれやはり大文字の“建築”を
1994―Anyplaceの構築
1995―海市島
1996―デミウルゴモルフィスムの輪隔
1997―モル的メタボリズムから分子的メタボリズムへ
1998―始源のもどき、終焉のもどき
1999―An Extra‐Context
2000―物の小系譜学
2000―われもまたアルカディアに 近代建築の天人五衰
著者等紹介
磯崎新[イソザキアラタ]
1931年生。建摩家。東京大学数物系大学院博士課程修了。磯崎新アトリエ代表
浅田彰[アサダアキラ]
1957年生。批評家。京都造形芸術大学大学院長。近畿大学国際人文学研究所客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tyfk
2
「コーラは、内に含んだ諸要素の運動によってゆさぶられ、またそれをゆさぶり返して、ふるいのように機能するという。それがトポスのもつ創造機能——デミウルゴスとしての?——なのだ。空虚と存在の中間にあってリズミカルに振動するコーラ。唐突な連想が許されるとしたら、それは日本でいう《間》と共通する点をもっているのではないか。」2023/08/12
どぅまち
0
建築は哲学たりうるのか。建築はただ構造物であるだけではない、思索し社会のあり方を考えるきっかけでもある。その中で特に印象的だったのが人工島のくだり。拠るべきもの(歴史や地形)がないので、場所の理由、固有性を導くための「風水」というのに場所性のヒントを見つけた2014/11/25