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内容説明
紅葉の名所、高雄。舞いに興じ、酒に浮かれ、茶を楽しむ人びと。これはしかし、たんなる風俗画だろうか。この絵を室町時代末期の「コンテンポラリー絵画」として捉えなおすと、衣装にも、身振りにも、橋上の楽の音にも、また、美少年をともなってそぞろ歩む、黒衣の僧の姿にも、当時の人びとが何を読みとっていたかが見えてくる。屏風絵は絵であると同時に、晴れの場を飾る調度でもあった。失われた「時代の記憶」がそこに込められている。絵画のなかで何が起きているのか?一枚の絵を徹底的に読み解く新しい美術文化史。
目次
1 期待されない観音
2 絵のなかへ
3 絵画と現実
4 此岸の人々
5 高雄のトポス
6 都の平和
7 屏風絵の領域
8 記憶のかたち