出版社内容情報
勤務先の中学を突然失踪して15年。かつて失踪した道程を旅して過去にけじめをつける、『くも漫。』前夜を描いた実録エッセイ漫画。
中川 学[ナカガワ マナブ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
20
著者が中学教員時代に、パンクして失踪した当時を振り返ったエッセイコミック。印象度B+ 中川学のエッセイコミックは、デビュー作からほとんど読んでいる。なぜかというと、その「ダメ人間」ぶりがとても他人とは思えないからである。間違いなく私と同類なのだ、この人は。で、今回は失踪。 9.11事件に世間がわいた当時、仕事のストレスにより失踪。宿のドアノブで首を吊ろうとするも大事に至らず(よかったね)、東京の弟の元にいく。弟さんは弟さんでできた人でよかった2022/02/10
まつじん
9
人生ツラいね、前向きに生きられない時にどうすれば良いか簡単にわかれば良いのにね。2019/01/26
めぐみ
6
著者は真面目で素直というか、色々なことを真に受けてしまうタイプだったのかなと。でも吉本隆明の本を真に受けて漫画家になれたのであれば、結果オーライ?2018/11/17
ままくー
4
教員になったものの色々うまくいかなくて失踪しあちこち訪問。そのときの行動を今振り返る。これは絶対病院行ってよかったぐらいの追い込まれっぷり。そんな状態でも自力でなんとか現状から脱せるんだから、人との出会い、人間の考え方、よくできたもんだ。「一度逃げたらかならずまた逃げる」論は正しいのだろうか。著者は一度は部活や顧問から逃げたけど、転部先の部活も辛くてもやり切っていた。「一度逃げたらまた逃げる。が、逃げなかったからといってまた逃げない、とは限らない」ということなのだろうか。「逃げる」人だけに厳しいな...2019/06/27
古泉智浩
3
過ぎ去った過去のことならそのままにしておきたいと思うのだが、作者はつらい過去と正面から向き合おうとする。そんな苦行をさらに漫画で表現するという更なる苦行ぶりがすごい。読んでいて息がつまりそうだった。 中学の厳しい先生が、厳しいだけの一面では描かれず、暖かいところやかっこいいところなど、あこがれていたところなども精緻に気持ちを表現していたところがすばらしかった。 息苦しさの表現が、空中に浮かんだ手首に首を絞められているなど、すごいビジュアルセンスが随所に感じられた。2018/04/23