出版社内容情報
波にのまれ、打ち捨てられたモノたちに堆積した、時間の記憶──震災前の日常、3.11、そして撮影されるまで経過した時間──それらを鎮魂の思いをこめて記録した写真集。
著者等紹介
六田知弘[ムダトモヒロ]
1956年奈良県生まれ。80年早稲田大学卒業。82年からヒマラヤのシェルパの村に暮らしながら撮影、88年に写真展「ひかりの素足―シェルパ」を開催して以降、「自然や宇宙との根元的なつながり」を遠くに探りながら、ロマネスク美術、仏教遺跡、石、仏像、古美術品、風景、自然、建築物、人物など、さまざまな事象を対象に撮影し、写真展や写真集で発表してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
21
イコン・・・聖神像(ギリシャ正教)。震災と津波の痕、遺された物が黙って語りかけてくる写真だ。靴、衣類、アルバム、じょうろ、カメラ、持ち主の生活が偲ばれる。地震と津波の物凄いエネルギーが、壊され捻じ曲げられ流された物の写真から伝わってくる。これまでに何冊か見た東日本大震災の写真集と比べて、かなり違った印象の写真集だった。2019/05/17
りー
14
朽ちたものたちを捉えるという発想自体は大好きなのだけれど、東日本大震災への追悼的な文言が僕には余計だった。追悼の意が気に入らないのではなく、それを作品を通して静かに主張するのならともかく、大声で解説したり前面に押し出したりするのは個人的には好かない。あくまで僕個人の芸術に対する好みの問題なのだけれど。いずれ悲しいものたちの集合としてではなく、ただ時に漂泊され失われてしまったものたちの魅力を伝えるために同じ様な写真集を出してくれたら良いなぁ。2014/02/02
退院した雨巫女。
13
《私-図書館》そこには、普通の生活をして暮らしていた人々がいたのに、震災のために…なくなってしまった。切ないが、忘れてはいけない。2014/01/20
izw
6
被災地でみつけたモノを白い紙の上に置いて取った写真。 日常品の変わり果てた姿に東日本大震災、津波の凄さが秘められている。2014/01/19