小村雪岱

小村雪岱

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  • サイズ B5判/ページ数 258p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582273328
  • NDC分類 721.9
  • Cコード C0071

内容説明

はかなく美しい冥界に迷い込むひととき―。大正‐昭和初期、文学と舞台を描いた画家の生涯を泉鏡花、里見〓、花柳章太郎ら文人、舞台人、そして失われた東京の世相風俗をちりばめ情緒あふれる筆致で綴る。書き下ろし。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どぶねずみ

33
画集だと思って予約したら伝記だったが、予想に反してとても楽しく読むことができた。小村雪岱の生き方をこれほど詳しく知ることができる本はないかもしれない。大正~昭和初期に挿絵画家として活躍したが、そもそも私自身は挿絵画家と小説家の関係というものは存在しないと思っていた。泉鏡花と30年を越える付き合いで、他にも村邦完二の挿絵も手掛け、小説家に大変慕われていたようだ。泉鏡花の女房役とまで言われた物静かな雪岱の性格が絵にも表れているように感じる。2021/03/04

井上裕紀男

28
資生堂のタイポグラフィには不思議な魅力があるけど、誰が設計したかまで知らず、仕事で小村氏だと知ってようやく探した本書。評伝かと思いきや「おいおい、こいつは一味違うぜ」と思い知らされた。文人、歌舞伎役者、新派俳優に数々の演目、流れるように日本の芸事史が綴られています。 小村氏が携わった舞台美術は特段残っておらず、手がけた挿絵も新聞社に残っていないと。勿体ない。 明治から昭和へ移り行く東京の街並みや暮らしぶりも描かれていて興味深い。 収められた挿画も素敵だが、当然本書の装幀も魅力的。粋な紙本です。2021/10/03

belle

9
大切にページをめくり、丁寧に読んだ。そんな気持になる内も外も美しい本だ。~それは日本橋檜物町からはじまった~とあるように、私と雪岱のつきあいも平凡社版「日本橋檜物町」から始まって画集を眺めたり、最近では幻戯書房刊の2冊を手元に置いている。この本では、装幀、挿絵、舞台美術といった雪岱の仕事や人となりが、彼との縁につながった人々を描くことであらわになって行く。時代の姿も。逝きし東京の面影をしみじみと味わう。国書からは鏡花セレクションが刊行中だが、もちろん装幀は小村雪岱。来年は日本橋で展覧会も予定されている。2020/02/29

スエ

3
松岡正剛が「千夜千冊」にて、「人に教えたくないくらい」と絶賛した一冊。小村雪岱の評伝、というよりはもう一歩引いて、画家の交友関係や当時の文壇画壇を俯瞰してその立ち位置を探るような内容。装幀も素晴らしく、本文組も文章も美しい。「明治大正昭和と三代に亘って泉鏡花に寄り添い、いわば生涯の女房役をつとめることになった」画家の、情の醇なる世界に酔う心地でありました。2014/07/12

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