彼らが写真を手にした切実さを―“日本写真”の50年

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582231199
  • NDC分類 740.21
  • Cコード C0072

内容説明

森山大道、中平卓馬、荒木経惟、篠山紀信、佐内正史、藤代冥砂、長島有里枝、蜷川実花、大橋仁、ホンマタカシ―現代写真家10人の仕事から“日本写真”を考える。

目次

prologue 写真のなぞ、写真家のふしぎ
1993‐94(ヒーロー・混迷・脱出 森山大道;記憶喪失を生きる神話の人 中平卓馬;一九九三年六月、中平卓馬の沖縄撮影行;“超二流”であることの自由 荒木経惟;シノヤマは写真である 篠山紀信)
2008‐09(写真の狂気に“踏み込む” 佐内正史;世界にチューニングする才能 藤代冥砂;何をやっても写真を感じさせる人 長島有里枝;自分の内と外を平衡移動する 蜷川実花;命の回転数を上げて撮る 大橋仁)
2011 写真と現代美術のあいだ ホンマタカシ
epilogue1 “日本写真”について考える
epilogue2 中平卓馬の写真家覚悟

著者等紹介

大竹昭子[オオタケアキコ]
1950年東京生まれ。79年から81年までニューヨークに滞在、文筆活動をはじめる。ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など、ジャンルを横断して執筆。トークと朗読の会“カタリココ”を各地で開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ほじゅどー

13
★★★自分にとってブレボケ写真は観念ではなく生理。写真で何かを訴えるつもりはない。言葉で表現できるんだったら写真は撮らない(森山大道)。写真は表現ではなく記録である。それは客観的な記録ではなく、私が世界に立ち会うその生の記録である(中平卓馬)。私の場合ずーっと私小説になると思います。私小説こそもっとも写真に近いと思っているからです(荒木経惟)。雑誌の仕事はピッチャーのようなもの。相手の望んでいるものを確実に投げていけばいい。しかし時には相手に悟られないように悪意を盛り込むのがプロ(篠山紀信)。2017/03/23

tom

12
大竹さんがの写真のコメント集が面白かったので、図書館に注文。森山大道、荒木経惟、篠山紀信、長嶋友里恵、蜷川実花、藤代冥砂、ホンマタカシなどなど、興味深い写真作者についての評論。私にしてみると、写真の評論集を面白いと思ったことはない。でも、この本、ちょっと違う感じ。どうしてなのかは、私にもよく分からない。でも、面白かったので、登場する写真家の写真集を見てみることにする。でも、そう思って入手した藤代冥砂の写真集は、何が面白いのか了解不明。写真というのは、妙な世界であるらしい(笑)。2019/05/30

うさみみ

7
戦後の『日本写真』を旧世代と新世代の対比を交えて解説した1冊。写真家10人のエピソードひとつひとつが濃い、面白い!簡単に「今」を切り取れてしまえる写真だからこそ、撮る行為の難しさやその写真に捨てられないようにすがりつきながら表現し続ける写真家達の、抜き差しならない切迫さ・混沌とした想いが痛々しくもあります。そして大竹さんの言葉選びが洗練されていて素晴らしい。『曖昧で分かりづらい写真を解き明かし文脈を与えるのは「言葉」の仕事』と言う一文も凄く好きです✨2015/07/31

がんぞ

3
荒木経惟ノブツネ、森山大道が連載していた80年代の『写真時代』(白夜書房)、俺も読んでいた(見ていた)。篠山紀信も長いが両人も長い。妻の死までライフを撮り続けた経惟がメインストリームで、アイドル写真・風景写真は自立していない第二芸術かも知れない。三名のほか、「記憶喪失を生きる」(比喩ではない)中平卓馬、「狂気に踏み込む」佐内正史、長島有里枝、蜷川実花、大橋仁、ホンマタカシ。芸術はキチガイじみたパフォーマンスで人の狂気を予防する。経惟が「写真やってる奴が『創造する』って言ったりはダメ、三流」と言うように2014/06/14

TOMYTOMY

1
中平中平中平!!読まなくては見なくては。 大橋さんや、ホンマさんももちろん面白い2018/09/24

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