生誕100年 安部公房 21世紀文学の基軸

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  • サイズ B5判/ページ数 256p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582207378
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0091

出版社内容情報

神奈川近代文学館で開催の「安部公房展 21世紀文学の基軸」の公式図録。自筆原稿、ノート、書簡のほか、カメラなどの初公開の品を含む数々の資料により、時代の先端をとらえ続けた表現者・安部公房の全貌に迫る。

【目次】
[口絵]公房の遺品 撮影=望月孝
[寄稿]いまなぜ安部公房か?──漱石、賢治、安部公房という視点三浦雅士
[再録]「ねり」という名前安部ねり
第一部故郷を持たない人間
[寄稿]安部公房とマルクス主義鳥羽耕史
第二部作家・安部公房の誕生
    夜の会/世紀/下丸子文化集団/現在の会/人民文学
第三部表現の拡がり
    安部公房と写真/ドナルド・キーン/安部公房と車
第四部安部公房スタジオ
第五部晩年の創作
美術家・安部真知
[エッセイ]近藤一弥/乾敏郎/大笹吉雄/加藤弘一/苅部直/川上弘美/多和田葉子/中村文則/鷲田清一

内容説明

特別展「安部公房展―21世紀文学の基軸」県立神奈川近代文学館(二〇二四年十月十二日(土)‐十二月八日(日))公式図録。生誕一〇〇年を迎えた安部公房(一九二四‐一九九三)。その創作活動は、学生時代の詩作から出発し、『壁』『砂の女』などの小説や「友達」などの戯曲、写真、さらに演劇グループ・安部公房スタジオによる総合芸術の追究と多岐にわたった。自筆原稿、ノート、書簡のほか、カメラなど初公開の品を含む数々の資料により、時代の先端をとらえ続けた表現者・安部公房の全貌に迫る。

目次

第1部 故郷を持たない人間
第2部 作家・安部公房の誕生(夜の会;世紀;下丸子文化集団;現在の会;人民文学)
第3部 表現の拡がり(安部公房と写真;ドナルド・キーン;阿部公房と車)
第4部 安部公房スタジオ
第5部 晩年の創作
美術家・安部真知
エッセイ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

121
誰かの伝記を読んで多くの事実や解釈を知っても、どうしても文章だけでは今ひとつピンとこない。その人の生きた時代のリアルや空気を全く知らねば、何を考えて行動したかとのイメージが摑めないのだ。特に安部公房のように過酷な満洲引き揚げを体験し、激動の戦後を生きた作家の生涯を理解しろとは、スマホやSNSが常識の令和にあっては江戸や明治の頃と大差ないのではないか。だからこそ生原稿や日記、愛用品に古い写真などを網羅した本書があれば、単なる資料でなく文学者の息遣いが聞こえてくる。その意味で紙の本の価値を再認識させてくれる。2025/01/02

keroppi

64
神奈川近代文学館「安部公房展」の図録。ちょっと値は張ったが買わずにはおれなかった。安部公房の生い立ちから作品の数々、映画や舞台、安倍真知の創作まで、資料としても価値がある。舞台の活動はかなりのスペースで紹介してあり、リアルでは一つも見ることが出来なかったのは悲しい。小説すらまだ全てを読めているわけではなく、もっと読みたくなってくる。2024/12/28

モトラッド@積読本消化中

38
★★★★★生誕100年記念として開催された『安部公房展―21世紀文学の基軸』の公式図録。安部氏関連の記録が満載されており、私にとって宝物となりました。展示物の紹介だけでなく、安部氏に寄せての文士らの一文も、とても興味深いです。更に、写真や安部真知さんのイラスト、舞台装置等々、いつまでも見入ってしまうベージばかり。この展示会に巡り合えたことに感謝したいです。安部公房愛が、再燃しております。2024/12/06

chanvesa

22
仕事をきっかけに、親しくさせていただいている方よりお貸しいただく。「えらい作家」はいろいろな人からの影響が垣間見えるのか、掲載されているエッセイには、たくさんの作家の名前が結び付けられる。巻頭の三浦雅士のエッセイが典型。難しくてよくわからない。視覚化されたことで生理的に受け付けられなかった映画「箱男」上映で話題になった、匿名性や「見られることを拒否しながら見る」ことの関連性からSNSやインターネットの時代を安部公房が(好意的・関心をもって)どう見るか、という議論が本書でもいくつかあったが、疑問に思う。2025/03/15

荒野の狼

10
2024年に県立神奈川近大文学館で開催された特別展「安倍公房展-21世紀文学の基軸」の公式図録。展覧会は安倍公房の生い立ちから全生涯をカバーし、その多様な活動と、膨大な作品を紹介。妻の美術家・安倍真知の安倍作品の装幀・挿絵・舞台美術と真知自身の作品と写真も紹介していたが、本書もそれらを掲載。写真が多く、ムック本といってよい内容で通読にも向いている。安倍の長女の安倍ねりをはじめとする複数の執筆陣が2-4ページほどの寄稿をしているのも魅力。2025/02/17

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