出版社内容情報
――「卒業アルバムの個人写真、もっと自由に撮らせてくれん?」
友だちのいない“暗すぎクラギ”こと蔵木のもとに、学年一の人気者・星野がそう提案してきた。
決まった構図ではなく、一人ひとりの個性が光る、自由な写真が並ぶ卒業アルバムにしたいというのだ。
実家が卒業アルバムの制作を請け負う写真館で、自身もプロ並みの腕をもつ蔵木は、しぶしぶながらその撮影を引き受けることになる。
人との関わりが苦手な蔵木にとって、人物写真は最も避けたいジャンルだった。
それでもシャッターを切るうちに、同級生たちの意外な一面が次第に見えてくる。
ときに衝突し、ときに心をかき乱されながらも、蔵木は少しずつ他人と向き合い始める。
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