出版社内容情報
二学期の初日、うちのクラスに転校生がやってきた。チョークをにぎるなり、黒板に書いた自己紹介は初めてみる「短歌」だった!短歌で自己紹介? 「ヘンな子」だけど、きらきらまぶしく見えるその子の名前は「詩音」。その詩音が弁当の配達で我が家にやってきた!?
内容説明
二学期の初日、うちのクラスに転校生がやってきた。チョークをにぎるなり、黒板に書いた自己紹介は初めてみる「短歌」だった!短歌で自己紹介?「ヘンな子」だけど、きらきらまぶしいその子の名前は「詩音」。その詩音がおべんとうの配達でわが家にやってきた!?詩音っていったい何者…。小学中級から。
著者等紹介
堀直子[ホリナオコ]
群馬県に生まれる。昭和女子大学文学部卒業。デビュー作『おれたちのはばたきを聞け』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『つむじ風のマリア』(小学館)で産経児童出版文化賞を受賞
alma[ALMA]
愛媛県出身。イラストレーター。主に装画を中心に活動しつつ、ソーシャルゲームやアニメの広告、漫画のお手伝いをすることも(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪丸 風人
18
主人公はクラスで浮いてる小学四年生。気持ちを出していくのが苦手な彼女が、まわりに生意気扱いされる訳アリ転校生の事情に触れ、関わり合う中で、自分の殻を破るきっかけを掴んでいきます。主人公たちの成長が涙腺にくる一冊ですね。とくに親や先生の前で自己主張する瞬間がやばかった。涙がこぼれないよう上を向き、目を見開いてこらえましたよ。芽生える友情にも温かい気持ちにさせられました。子どもたちが作る短歌の青竹のようなまっすぐさにも惹かれたな~。すこぶる元気を分けて貰える児童書でしたよ。(対象年齢は9歳半以上かな?)2024/01/14
joyjoy
17
昨日、息子の授業参観へ。音楽室。DVDでオペラ鑑賞し、総合芸術の良さを伝えよう、という内容。鑑賞後に先生に指名されて、気付きを生徒たちが話す。ひとり発言するごとに、先生が「拍手!」。生徒たちがパラパラと拍手。んー、この拍手っているんかな??リアクションはあってほしいけれど、先生が促す必要はあるのか?と思いながら帰ってきた。そのせいか、この作品の最後の黒岩さんの拍手がとてもすてきだな、と感じた。表現する。受け止める。そこからまた新たに生まれるものがある。きっと。2023/04/18
遠い日
7
短歌で自己紹介する転校生がやってきた!度肝を抜かれた同級生たち。訳ありの転校だとの噂が立つ中、祖父母宅の仕事の手伝いをする彼女、野々村詩音。マイペースで雑事には我関せず。そんな詩音が気になって仕方ないなずな。時々関わるうちに、詩音の抱える悩みがうっすら見えてくる。テーマは重層的。子どもの心の襞は案外深い。ことばで伝えることの大切さが濃やかに描かれる。気張らない、飾らない、自分のことばでこそ伝わるものがある。2023/09/16
タンタン
5
4年生。転校生の詩音はお弁当やさんのおばあちゃんちに住んで店を手伝っている。詩音と親しくなる星野だが、学校でも家でもうまくいかない。詩音が作る短歌に興味を持った星野だが…。2022/12/17
火星人碧
4
今の子どもたちには素直でいることは難しくなっているのだろうか。昔もそんな面はあったと思うが、今はそんなものではない。政治家みたいに派閥をつくったり勢力争いを続けたら20歳になる前に疲れてしまうし、10代にして社会に希望を失うのかもしれない。ここに出てくる詩音は実は傷つきやすい子なのだろう。黒岩さんのような孤高の子がいて、このクラスは繋ぎ止められているのだ。しかし2学期だけクラスメイトだった詩音が、そこに何か置き土産を残したのだろう。短歌や俳句をたしなむ子が出てきたらいいなと思う、この本の読者から。2024/10/16