出版社内容情報
村で開かれる子どもずもうには、女の子が出たらいけないらしい。
「すもうは男がやるもんだろ?」
「女の子には似合わないよ」
「そういう決まりだから」
……なんで!?
弱虫の双子の弟、リモには出場する権利があって、私にはないなんてぜったいにおかしい!!
そんなときにあらわれた不思議な男の子。あの子はだれなの?
著者等紹介
中山聖子[ナカヤマセイコ]
1967年、山口県に生まれる。「夏への帰り道」(のち『三人だけの山村留学』として学習研究社にて刊行)で小川未明文学賞大賞、「チョコミント」(のち『チョコミント』として学習研究社にて刊行)でさきがけ文学賞、「コスモス」(のち『奇跡の犬 コスモスにありがとう』として角川学芸出版にて刊行)で角川学芸児童文学賞、『雷のあとに』(文研出版)で日本児童文芸家協会賞を受賞。日本児童文芸家協会・日本児童文学者協会会員
下平けーすけ[シモヒラケースケ]
1975年、茨城県に生まれる。児童書を中心にイラストレーターとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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遠い日
3
村の子ども相撲に絡めて、ジェンダーバイアスによる嫌がらせを受けるリコ。リコのおばあちゃんもまた、無意識のそれを押し付けてくる。そこここに現代的な問題を挟みつつ、子ども相撲と子ガッパのファンタジックな要素もだいじなポイント。子ガッパの出現、そして古河のおばあさんの推薦で相撲に出場した子ガッパは男も女も関係ないよというメッセージを携えていたのではないかしら。リコもリモも我が道を行く姿がとってもいい。2022/11/15
芦屋和音
2
小3のリコとリモは双子の姉弟。前作『パパはカッパか!?』はリモ目線だったけれど、今回はリコ目線。村の子ども相撲に女の子が出るとタタリがある?女性蔑視発言のジジイはまさに老害。悪気なく可愛い服を送ってくるおばあちゃんも、リコの好みを聞いてほしいな。リコが悩みながらも自分の気持ちを大切に決断する過程が良い。リモの台詞「ぴっかぴかにみがかれたコップの中にいるみたい」は、澄みきった秋の空の下、素敵な表現🍁不思議な男の子も出場する相撲大会シーンは迫力満点🌾2022/10/29
Nori
1
男らしさとか女らしさとかジェンダー的なことを優しく気づかせてくれるような児童書でした。正体不明の少年はやっぱり河童だったんだろうか。2023/09/21