内容説明
中学生になったクリストフのところに、アフリカからの転校生がやってきた。アーメルという名のその転校生は、なぜかいつも機嫌が悪く、クリストフとまともに話をしようとしない。クリストフが言われた「イニェンジ」ということばの意味とは?そして、クリストフがはじめて知る、ルワンダの悲しい歴史とは??
著者等紹介
コーンウェル,ニキ[コーンウェル,ニキ]
イギリスのケンブリッジで書店を営む両親のもとに生まれる。高校卒業後、児童養護施設で働いたのち、大学に進学。ソーシャルワーカー、教師として働いたのち作家となる
渋谷弘子[シブヤヒロコ]
東京教育大学文学部卒業。27年間群馬県の県立高校で英語を教えたのち翻訳を学ぶ
中山成子[ナカヤマシゲコ]
茨城県生まれ。御茶の水美術専門学校卒業後、デザインの仕事を経てフリーのイラストレーターとして独立。雑誌や書籍のイラストを描くかたわら、ライフワークとして粘土の立体作品の制作にも取り組み、より自由な表現を追求している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
36
ルワンダの内戦から逃れて難民としてイギリスに住んでいるクリストフのクラスに、コンゴからの難民アーメルがやってきました。ルワンダにはツチとフツという部族があり、お互いに殺しあうようになっていたのです。その事は「小さな国」という本で読んだばかりで知っていました。それだけにお互いの家族が虐殺された恨みの深さもわかるつもりです。クリストフの父親がこういった恨み、復讐の連鎖を憂うように、人々の奥深くに宿る毒の恐ろしさには息が詰まります。クリストフが逃げずにアーメルを助けた事、アーメルがそれを認めた事が救いです。2017/08/30
杏子
24
去年の課題図書『お話きかせてクリストフ』の続編。4年後、クリストフが中学生になった頃にアフリカからの転校生がやってくる……人と人との争いごとについて考えてしまった、そんな話。大きな戦争も、こんな小さな誤解と偏見から来ているのかも?いろいろ考えさせられる。2016/09/01
なかちゅう
9
『お話きかせてクリストフ』の続編。クリストフの話ではルワンダでの虐殺のなか、銃で撃たれ、弟を亡くしながらも生き延びてイギリスに来たクリストフの話だったが、その後、彼のクラスにコンゴからの難民のアーメルが転入してくる。そして、クリストフは自分の知らなかったルワンダでおきた虐殺の、人びとの心をむしばむ「毒」を知ることになる。それは、本当は、ルワンダだけではなく、世界中の人々の心にある「毒」だ。クリストフの体験も十分悲惨な体験だったと思うけれど、後藤健二さんの『ルワンダの祈り』や、何か月も放置されたままの ⇒2017/08/10
tellme0112
8
期待を裏切らない続編。毒に捕まらないように。パパの独白がぞぞっとした。そしてその後の行動も好き。大人の味のする児童書です。2017/07/25
joyjoy
5
ルワンダの内戦。難民問題。前編と続けて読んで、少しずつ知ることが出来た。毒にむしばまれないように。自分の中にも毒があるかもしれない。気づかぬうちに子供たちに毒をばらまいていないか。気をつけたい。2019/10/15