出版社内容情報
江戸の町に人斬りが出たらしい。「正義党」と名乗る輩が高利貸しを狙っているのだという。月は金貸しのおかみさんたちに相談を受け、善良な高利貸しも殺されているのを知って、放っておけなくなる。行商人の仕入れのための金を貸す良い金貸しだっているのだ。月は早速、そのおかみさんたちを一軒の長屋に集めることを要に提案する。さらに、事件のことを瓦版に書いてもらい、犯人をおびき出そうという作戦だった……。
内容説明
江戸の町に人斬りが出た。「正義党」と名乗り、高利貸しを狙っている。内緒で殺し屋をやっている月は、金貸しのおかみさんたちに相談を受け、放っておけなくなる。早速、金貸したちを一軒の長屋に集めることを、夫で同心の要に提案する。さらに瓦版を使って犯人をおびき出そうと…。好評書下ろし時代小説!
著者等紹介
神楽坂淳[カグラザカアツシ]
1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者。多くの文献に当たって時代考証を重ね、豊富な情報を盛り込んだ作風を持ち味にしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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nemuro
45
時代小説とは思えぬ軽いタッチが好きで、<うちの旦那が甘ちゃんで>シリーズなど、結構、既読本もある神楽坂淳。近年は、自宅本棚に並ぶ購入本や図書館本など、今読みたい本が沢山あって、10冊ほどを同時並行的に読み進める作戦な私だが、だからと言って「読みたい本=面白い本」とも限らず、暫し読了に至らず“本の渋滞状態”が発生してしまうことも少なくない。そこに神楽坂淳(の作品)を投入し渋滞解消を図ってみたり。シリーズ第3弾。「殺し屋なの」と大胆に告白しておきながら「内緒です」とおしとやか。そんなタイトルも気に入っている。2025/03/30
葵
28
最近キツイ話を読んでいたので、軽く楽しい話を読んで気分を上げたく読みました。とはいえ、ヤキモチ焼きの実は殺し屋の奥さんは、すぐ「よし、殺そう」などと思って物騒なのですが(笑)。今回は高利貸し屋の殺人をめぐって、同心の夫を助けるべく囮捜査をする月さん。大河の「蔦屋重三郎」も名前だけ出てきましたが、当時の江戸の食事や娯楽の文化もわかって、大河ドラマをみているのでその光景が思い描きやすく面白かったです。少女漫画みたいで主人公の月さんが可愛いです。2025/04/07
なお
12
毒なのか料理が不味くて死んだのかわからないほどの料理ってなにってわろた笑 超一流の殺し屋なのに家事は壊滅的。そんな月さんが可愛い。2025/04/12
ごま麦茶
6
隠密同心の夫には内緒で殺し屋をしている若奥様・月さんのシリーズ3冊目。今回は金貸し一家が殺されて、他の金貸しの奥さんから助けを求められる。殺し屋としては一流なのに、相変わらずの家事がポンコツで、それでも少しずつ上達している月さんにほっこり。夫の要さんとも、初期よりすれ違いも減り、安定したご夫婦になってて微笑ましかったです。矢場やお料理など、江戸の風俗も知れて面白い。新しい登場人物も出てきて、これからの絡みも楽しみです!2025/03/23
Masashi Matsuba
3
江戸の風情が事細かに書かれていて、読んでいて楽しい。前の作品もそうだったが、殺し屋としての腕が良いという設定の為か、殺しに関する描写はかなりあっさりしている。その場で臨機応変に殺していく様が、以前の「仕掛人」シリーズのようで楽しい。同心の妻として潜入捜査をする様も段々と板についてきて、「殺し」と「捕り物」が同時に楽しめた。2025/04/03