内容説明
かおりは、大正時代の作家森川春水の大ファン。同級生の中野くんは春水の子孫だった。二人は春水の住んでいた屋敷でタイムスリップして、春水と出会ってしまう。その後の歴史が変わり、子孫の中野くんは…。歴史は元どおりになるか?
著者等紹介
今田絵里香[イマダエリカ]
1975年、京都府に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学、京都大学、2006年)。現在、成蹊大学文学部准教授。専門はメディア史、教育社会学。学術書に『「少女」の社会史』(勁草書房)がある。第15回児童文芸家協会創作コンクールつばさ賞佳作。「プレアデス」同人。『春に訪れる少女』は初の児童書となる
くまおり純[クマオリジュン]
1988年、京都府に生まれる。画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆか
31
かおりは、大正時代の作家森川春水の大ファン。同級生の中野くんは春水の子孫だった。二人は春水の住んでいた屋敷でタイムスリップして、春水と出会ってしまうというお話。話の結末は予想できるが、さわやかな読後感。あとがきがよい。「私達は誰もがちょっとずつかわっているところがあります。だけどそのかわっているところをからかわれたり、しかられたりすると、とたんに自信をなくしてしまいます。だけどいつかそのかわっているところをおもしろいなあと言ってくれる人達が現れます。略 自分の中のかわっているところを大切にしてほしい」2016/05/02
ぱんちゃん
20
娘(小4)の夏休みの宿題読書10冊の為の一冊。小一時間ほどで読みながら、娘『面白い!!あー、読み終わりたくない!!』と叫ぶのにつられて私も読む。うんうん、1980年代『りぼん』風!『空色のメロディ』とか『ときめきトゥナイト』とさか、純粋で真っ白なトキメキ!それがタイムスリップと、程よい推理が合わさって大変面白かったです。私も小一時間ほどでぺろっと読みました。2016/07/26
ひとみ
2
中学生のかおりは地元の偉人でもある大正時代に活躍した作家・森川春水のファン。学校で落とした本を春水の子孫である中野くんに拾われたことがきっかけで二人は知り合い、春水の別荘で不思議な体験をするのだった。本好きの女の子と出木杉くんな所のある少年のボーイミーツガール要素のある時間もののファンタジー。何故二人でいるとタイムスリップできたのかという謎に対し、主人公がある解釈をして「そう考えた方がロマンチックだ」と結論づける所が好きである。作中のシリーズは四季に因んで四作あるそうなので、できれば続きも読んでみたい。2016/06/27
まめもやし3
1
意味不明のタイムスリップもの。二人の関係は何?なぜにふたりの手つなぎが、タイムスリップ起こさせるのか、サッパリわかりません。森川春水とやらが殺されていない世界から殺される前の世界へ、さらに殺された後の世界へ、そして殺される前の世界へ、最終殺されていない世界へ。タイムスリップにかこつけて、手をつなぎたかっただけ?2017/07/14
kiriya shinichiro
1
研究者の人が書いた文芸書。ものすごくそういう感じがする。紹介してくれた人は文体について言及してたけど、なんていうんだろう、理路整然としたSF。こういうヒロインは嫌われないと思うけど、たしかに友達はたくさん要らないんだろうな。一種のオタクだし。ヒロイン視点に完全に固定されているから仕方がないけど、中野くんのキャラの掘り下げが……もうちょっとあってもよかったかな。2016/05/14