内容説明
広島平和記念資料館に展示されていた赤い着物の小さな人形。その人形の持ち主だったナンシーさんに会うために、わたしはアメリカ・テキサス州の家をたずねた…。ナンシーさんと人形はどんな時間をすごしたのだろう―。
著者等紹介
指田和[サシダカズ]
埼玉県生まれ。出版社で子どもの雑誌、家庭雑誌などの編集を経た後、フリーとなる。いのちや心、自然に関するテーマにひかれ、取材し、作品にしている。児童文学者協会会員
牧野鈴子[マキノスズコ]
熊本県生まれ。短大やデザインスクールで絵画を学ぶ。デザイン事務所勤務を経て、フリーとなる。絵本『森のクリスマスツリー』(文研出版)でボローニャ国際児童図書展エルバ賞、『おはいんなさいえりまきに』(金の星社)で産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
6年生ブックトーク授業【戦争・平和・伝記】広島(1945年8月5日AM8:15)・長崎(1945年8月9日AM11:02)の原爆被害に絞って話しました。今回紹介した本はあとがきや解説をしっかり読んでほしいと付け加えています。更に日本は被害国だけでなく加害国でもある、ひとつの方向だけで見るのではないようにしてほしいです。どういうことだろう?と思ってくれればいいですが。2022/07/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
原爆投下直後、爆心地で人形を拾い、アメリカに持ち帰ったアメリカ兵。大切に保管されたその人形は、日本に帰ることができた。敵国であった日本のものを大切に保管されていたアメリカ人の思いが強く伝わってくる。2018/10/06
けいこん
7
広島原爆記念館にある人形がアメリカへ行って、日本に戻って来た経緯。兵士が戦地である日本で拾った人形をアメリカに住む知り合いの女の子に送るって、どういう気持ちでしたことだったんだろうか。貰った女の子が、人形を見て、気持ち悪いと思わずに、大切に大切にしてくれていたことに、本当に感心してしまう。2017/11/15
雪うさぎ
5
「海をわたったヒロシマの人形」というタイトルと悲しげでうつろな目をした少女の姿に惹かれました。人形と手作りされたであろう真っ赤な着物が強く何かを訴えかけてきているような気がしたのです。原爆が落ちた広島で拾われた人形がアメリカに渡り、一人の女性がずっと大切に持っていたとは……。私はまだ広島平和記念資料館に行ったことがありません。そのことがすごく恥ずかしいです。今、展示されているかどうかはわかりません。しかし、このヒロシマの人形が平和や戦争を考えるきっかけになればと思っています。2014/07/16
ochatomo
3
敵だった国の人形を長年保管していた気持ちを想像したい 著者は実際に会いに行く 2011刊2017/08/24