出版社内容情報
オニグモの習性と時の流れを、空の雲、夜の星を背景に、トレーシングペーパーに描いた画期的な絵本。高い芸術性が評価されました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
75
蜘蛛の巣を見るなら朝に限る。朝露に濡れた蜘蛛の巣の輝きを見たことのある方ならば、きっと、同意して頂けるはず。この絵本を開くまではそう確信していました。しかし、この本に描かれた夜の蜘蛛の巣の絵を見て考えを改めました。星空を背景にした蜘蛛の巣は、美しい星座盤のようでした。夜露に濡れた蜘蛛の巣が月の光を浴びたら、実際どんな風に目に見えるのだろうか。新宮晋さんはその美しさに魅入られ、夜行性のオニグモが巣をかけ始める夕方から巣をたたむ明け方まで夜通し観察したのかもしれません。新宮晋さんが発見した美に魅せられました。2021/02/15
鱒子
64
図書館本。作者の新宮さんは、自然エネルギーで動く立体作品を作る芸術家です。オニグモが巣を作るシーンと巣がなくなるシーンでは特殊な紙が使われています。本の前半では左ページを鑑賞し、後半では右ページを鑑賞する作り。非常にアートな美しい絵本です。こどもからおとなまで。2019/03/12
たまきら
46
1979年初版、美しい絵本です。私はオニグモが好きで子どもの頃よく観察していました。朝になるといなくなっていたり、夕方ふと見上げるといたりして妖怪みたいだなあ…と思ったっけ。大きい蜘蛛だし。一度手に乗せて遊んでいたら親指の付け根をひどく噛まれたことがあったのに、今もスパイダーマンのように糸を操れずがっかりしています。クモ大好き。2024/02/13
ちえ
46
夏になるとよく窓の外にオニグモが巣を張っている。昼間気がつかないのはたたんでいるからなのか。見ているうちに蜘蛛の巣が一つの宇宙に思えてくる。そこに入り込むととらえられてしまう。オニグモの宇宙。実は自宅本。何年ぶりに開いたか。とても芸術的、うっとり。2021/02/12
momogaga
43
【おとなこそ絵本】紙の絵本ならではの質感を楽しめました。ぜひ、工夫を凝らしたデザインを手に取って味わっていただきたい。2022/10/31