フレーベル館文学の森<br> きみの話を聞かせてくれよ

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フレーベル館文学の森
きみの話を聞かせてくれよ

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784577051863
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

吹き抜ける風が心をゆらす--
ぼくらは自分のままでいたいだけ。そうあるように、ありたいだけ。

7つの短編が連作に。
軽やかに、でもたしかに、
心に響く『ぼくら』の話。

episode1 シロクマを描いて
親友・早緑(さみどり)とけんかして以来ひとりぼっちの六花(りっか)。放課後、スケッチをする彼女の前に現れたのは……。

episode2 タルトタタンの作り方
お菓子作りが趣味の虎之助(とらのすけ)。ある日、見知らぬ先輩に「タルトタタンは作れるか」とたずねられ……。

episode3 ぼくらのポリリズム
吹奏楽部のパーカス、夏帆(かほ)。元気のない後輩・湊(みなと)を保健室に連れていくと、そこにはおなじクラスの男子がいて……。

episode4 いたずら男子の計画は
テストも終わって浮かれる葵生(あおい)。親友の悠磨(ゆうま)と颯太(そうた)の3人で、「中2らしいいたずら」の計画を考えるが……。

episode5 ヘラクレイトスの川
受験勉強に励む3年生の正樹(まさき)。ずっと心配していた不登校気味の妹・梢恵(こずえ)が、不思議なことを言いだして……。

episode6 ウサギは羽ばたく
新船中のカリスマ・羽紗(うさ)。記憶の古傷に向きなおり、かつての友人・玲衣(れい)と話をするため向かった体育館の裏で……。

episode7 くろノラの物語
異動を控えた養護教諭の三澄(みすみ)先生。保健室をたずねてきたひとりの男子と話すうちに、昔のことを思いだし……。

内容説明

親友とけんかしてひとりぼっちの六花、お菓子作りが趣味の虎之助、元気のない後輩を気にかける夏帆、悪友ふたりといたずらの計画を立てる葵生、不登校気味の妹を心配する正樹、悩める新船中のカリスマ・羽紗、養護教諭の三澄先生に心のうちを語る良輔…7つのストーリーがきみの心に届く。

著者等紹介

村上雅郁[ムラカミマサフミ]
1991年生まれ。鎌倉市に育つ。2011年より本格的に児童文学の創作を始める。第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作『あの子の秘密』(「ハロー・マイ・フレンド」改題)にてデビュー。2020年、同作で第49回児童文芸新人賞を受賞。2022年、『りぼんちゃん』で第1回高校生が選ぶ掛川文学賞受賞。ほかの作品に『キャンドル』(すべてフレーベル館)

カシワイ[カシワイ]
イラストレーター・漫画家。漫画や書籍の装画・挿絵などを中心に幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

78
YA。中学生たちの連作短編▽[シロクマを描いて]美術部2年の白岡立花(しらおかりっか)は早緑(さみどり)とケンカ別れして1年半[タルトタタンの作り方]ケーキ男子虎之介は期待されてるキャラ付けが嫌い。生徒会長のウサギ王子にタルトタタンを焼く[ぼくらのポリリズム]吹奏楽部2年の夏帆は、失恋で落ち込む後輩の七海をなぐさめきれない[いたずら男子の計画は]葵生(あおい)は悪戯返しにキレる[ヘラクレイトスの川]正樹は妹の不登校の相談にのる[ウサギは羽ばたく]ウサギ王子のトラウマ[くろノラの物語]▽2023年刊。良本2023/08/25

ゆのん

62
中学生達が主人公の連作短編集。著者の作品も本作で4冊目。大人である私は『最近の子は生意気だなぁ』と苦笑混じりに思う事がある。それは多様化し複雑になった社会に伴い子供達の思いも複雑になったのでは…と本作を読んで気付かされる。でもこの本の素晴らしいのはテーマだけではない。登場する子供達の様々な表情や言動が目の前にあるかの様にイキイキとしている。今まで沢山の本を読んできたが、愛おしくて愛おしくて泣いた本は初めてだ。名作と言われる絵本や児童書は時を経ても素晴らしいが今を生きる子供達に今必要な作家だと強く思う。2023/03/10

ぼっちゃん

61
中学校を舞台にそれぞの想いや悩みを綴った7つの連作短編集。自分の悪口を言われたわけでないが、他人の悪口でも傷つき学校に行けなくなった妹をもっと強くなれと言うのでなく理解しようする兄との物語『ヘラクレイトスの川』をはじめ大人でも考えさせられる作品集だった。2024年の中学入試で多く出題された本とのことであるが、それもうなずける作品。これは小学高学年から中学生にお薦めですね。2024/07/13

SOHSA

59
《図書館本》自分が中学生だった頃と比べるとこの小説の子たちは何と多感で深く心を震わせているのだろうと思う。大人が思うほど子どもたちは子どもではなく大人は大人ではない。誰もがその時々に悩み傷つき心震わせながら生きている。そこに大人と子どもの区別はない。読み手自身も入れ替わり立ち替わりながら自己を生きている。なるほど、まさにヘラクレイトスの川か。どのエピソードもそれぞれに心に響いた。誰もが多かれ少なかれ心に何かを抱えて生きている。私も「きみの話を聞かせてくれよ」と静かに言える人でありたい。2024/10/12

がらくたどん

59
出会った時はそんなこともなかったのに途中からなんとなく巧く人間関係が結べなくなる相手って居る。相手に明確な悪意や暴力があれば逃げるなり闘うなり腹も決まる。分かりやすい出来事でもあれば最低限の「納得」もできるかもしれない。でも、現実の「拗れ」って流行のイヤミスみたいに善悪つかないんだよな~。そんなローティーンのモヤモヤの隣に居てくれそうな物語。タイトルは率直だが中身はなかなか尻尾をつかませない。責任とか義務とかちゃんちゃら可笑しいけどヒトって面白いから好きだなって思っている野良猫みたいだね♪YAから大人まで2024/05/09

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