出版社内容情報
あれもナイ、これもナイ、わたしは何ももってナイ…。でも「ナイ」をさかさまにしてみたら…「アル」がいっぱい見つかった!
装丁は名久井直子氏です。
内容説明
べんきょうができナイ、スポーツができナイ、なかよくできナイ…ナイばっかりの女の子が、かいだんをのぼって見つけたものは?ベルギーでデビューした絵本作家シズカ、日本で初の絵本!
著者等紹介
藤井カゼッタ[フジイカゼッタ]
『ナイアル』が初の絵本制作
シズカ[シズカ]
2017年6月に、ベルギーの出版社Alice Jeunesseから初の絵本“Je suis l`a”(邦題:ココニイルヨ)を出版。日本での絵本出版は『ナイアル』が初(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
86
変わった髪型のライネは、あれもナイこれもナイと落ち込んでばかり。水曜日の階段を降りていくと、底には池がある。池の中からランプウが覗いてる。ランプウが照らすと色んなものがアルことに気づく。カラフルな色のついた階段を登っていくと、たくさんのアルと一番のスキが見つかった。なんにもナイところに、へんてこな絵を描くのがスキなこと。わたしには、スキがアル!独創的な鉛筆画と着彩はベルギー在住のシズカ。日本での絵本出版は初。作話は藤井ガゼッタ。一番のスキがあることに気づいたら、その日からひとは一生最強になれるんです。2021/07/14
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
「ナイ」にばかり気になる主人公のライネ。しかし、妖精ランプウとの出会いにより、「アル」を探していく。少しずつ光が差し込んでいく。変化していく様子の表現の絵が絶妙でした。物事は同じ側面でなく、捉え方、考え方次第で違う面も見えてくる。ライネがそれに気付け、人生にプラスになっていけたのが良かった。2021/11/30
れっつ
40
分かるなぁ、その気持ち。誰かの方がなんでもできるように思えて眩しくて、羨ましくてつい自分と比較してしまう。そして自分は劣っているように思えてしまうんだよな…。そうすると気持ちはどんどん沈むし、世界には色が無くなってしまう。この絵本は、そんな誰もが感じてしまう色の無い世界に、優しい光を注ぎ、世界は鮮やかな色彩で溢れていることを教えてくれる。自分にもいいところや好きなことがあると気づくことは、生きる勇気と楽しみに繋がる。柔らかく可愛らしい絵にも癒されて、元気が湧く読後感!オススメです♪2021/04/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
「ナイ」ものばかりを数えて悲しむライネ。勉強できナイ、運動できナイ、友だちいナイ、と。けれど暗闇に光を照らす妖精ランプウと出会い、いろんな「アル」を知っていきます…。「ナイ」と「アル」だけでなく、もう一つ見つけた大切なものとは。2021/10/02
spatz
10
印象的な絵柄と色彩。成長してゆくこどもたちとの日常の中で、時に大小の壁にぶつかりながら、いつか自分で唱えていたことは。 できないことを数えない だった。自分の中から湧いてきたことなのだけど、いろんな局面で確認してきた、いろんな人がそれぞれ違う言葉で表していた。(それこそ、アドラーにもその思考はみつかる)ナイ、ていうのは簡単。ナイはどんどん増えてく、どこかで、アルにかえられないかな?これは、やろうと思ってもなかなかできることではない、ゆっくり自分で見つけてゆくしかない。パッと明るい花がさいたような展開。 2021/04/30