出版社内容情報
中高生が利用できる施設、サプリガーデン。そこは、「自由」に過ごすことができ、さまざまな「きっかけ」をつかむことができ、「やりたいこと」に挑戦できる場所。家でも学校でもない、きみたちだけの第三の居場所、「サード・プレイス」。
友だちに自分の趣味を言えない瑞希、自分だけ外れていると感じるダイ、変化にとまどうぴよっち、同級生の成績に追いつかない亮、4つの短編連作。
森本瑞希
Part 1サブ垢
わたしが好きなのはグロいマンガ。話が合うのはクラスの友だちよりSNSの仲間たち。学校のほうがサブ垢なのかな。
斎藤大輝
Part 2 規格外品
なにをやってもうまくいかない。みんなと同じようにそろわないのは、オレが規格外品だからか?
佐久間陽菜
Part 3 チェンジ!?
中学校入学で新しい生活にワクワクする? あたしは慣れないことばかりでついていけないよ。
寺西亮
Part 4 成長痛
勉強だけが取り柄だったのに、難関私立中学校に入ったぼくは学年ビリの成績に…なんでだよ!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モモ
58
良かった。自分が好きなものを人に伝えるのが怖い女の子。何もかも、うまくいかないとイラつく男の子。有名校に入学が、成績がビリで落ち込む男の子。そうした中高生を受け入れる、もう一つの居場所「サード・プレイス」。中学生は、ほんの少し前までランドセルを背負っていた子たち。高校受験もあり、親も子も一番余裕がない時なのかも。そうした時に、違う年代の人と話したり、別の居場所をつくってあげるのは大事なんだろうな。「なにをあせっていたんだろう。なにもかも、これからなのに」という中学1年生の言葉が胸にしみた。2020/11/29
うー(今年も遅くなります)
30
今、自分が居る場所に窮屈さを感じていたとしたら、この本が背中を優しくさすってくれて、そっと背中をおしてくれるかも。。区内中高生の居場所として自由に利用できるサプリガーデン(夢のような場所だなー)で、端から見たら『青春全力ヤロウ』な人達と関わることで、自分のガチガチに固まっている頭がすっきりクリアになっていく4人のケース。出会いは一期一会、《ちがう場所≫があるってとても大切だなぁ。2021/09/23
白雪ちょこ
24
受験や友達関係、10代だからこそぶちあたる様々な壁に悩む、男女中高生達のお話全4話。 第1話の、漫画やアニメが好きなことについて悩む彼女には私も共感する部分があった。現在私もレイヤーとして活動しているが、 そういった話題になっていたのも嬉しかった。 第3話の、主人公のお兄ちゃんが悩む姿は、今の学生のリアルな描写も描かれていて、 ハラハラする場面も多かった。 家や学校ではない、第3の心の居場所「サード・プレイス」のような場所ができれば、沢山の学生達が救われると思う。2022/08/06
まる子
16
子供から大人への段階にある中高生。様々なアイデンティティの混乱の真っ只中にある時期。だから、学校でもなく家族でもない場所のサード・プレイスが必要だよね。大学生や社会人と関わる中で、悩んでどうしたらいいのかも分からない自分から少しでも抜け出せる場所があるのは羨ましい。でも、この時期を大いに悩んだからこそ、「今度は誰かのために」と、自分も次の悩める中高生に声をかけてあげられる。それは先生や親とは違うからこそ、大きな存在。学校図書館もそんな場所にならないかな〜。悩める中高生にはいい本。2021/07/26
くぅたん
15
学校でも家庭でもない第3の場所、サードプレイス。長男が小学校に違和感を感じてた時に、まさに必要だった場所。うちの子の場合は、習い事で見出だせたが、だいぶ多様性を認めるようになってきたとはいえ、日本の学校のように『同じであること』が良しとされる文化の中で、年齢や経験、価値観が違う人たちと触れあい、認めあえることはとても大切。4人の成長物語。2021/09/12