出版社内容情報
ひとりぼっちのかわいそうな子犬には、帰る場所がありません。
自分のものと言えるのは、首に巻いた赤いスカーフだけ。
ある日、流れる川に落ちた一枚の葉っぱを追いかけ、
子犬は町に迷い込み…。
「きっと どこかにある」と信じて歩みを止めない子犬。
風が吹いても、雨がふっても、あきらめずに進みます。
途中、においにつられて入り込んだカフェでは、
人々に心ない言葉を投げつけられてしまいます。
少し物悲しげな雰囲気が漂いつつも、ラストに向かってお話はゆったりと進みます。
イラストの風合いも相まって、あたたかく心にじんわりと入ってくる内容となっています。
作者のリチャード・ジョーンズの作品は
『ガラスのなかのくじら』(トロイ・ハウエル/共著 あすなろ書房)、『キツネのはじめてのふゆ』(マリオン・デーン・バウアー/作 鈴木出版)、『だいすきライオンさん』(ジム・ヘルモア/作 フレーベル館)など今日本でも注目され邦訳が各出版社より発刊していますが、
今作はリチャード・ジョーンズが作・絵ともに手がけた絵本、初めての邦訳作品です。
居場所をテーマとするこの絵本ですが、教訓めいているわけではなく、
寂しさとぬくもりが共存するイラストと、福本友美子先生によって訳された優しい言葉たちのおかげで
じっくりと味わいたくなるような絵本になっています。
イギリスの人気イラストレーターが描き出す、
アメリカ、フランス、ドイツ、韓国など
世界10か国で出版されている、
イギリスで話題の絵本です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
65
予想通りの展開だけれど、ほっこり。「なまえのないねこ」を思い出しました。どうしてひとりぼっちなの?どうして赤いスカーフを巻いているの?ひょっとして、誰かに…。シンプルな絵が素敵です。子犬の細~い足が可愛い。2020/09/01
とよぽん
58
「ひとりぼっちの かわいそうな こいぬ。おうちは どこにも ありません。じぶんの ものと いえるのは、くびにまいた あかい スカーフだけ。」物語の最初から哀しい。 1枚の葉っぱを追いかけてまちに着いた子犬だが、どこでも邪険にされて・・・。でも、『だいすきライオンさん』の白いライオンがいた! あの帽子をかぶった女の子も! ハッピーエンドで良かったょ。『きっとどこかに』だもの。2022/01/16
ヒラP@ehon.gohon
33
子犬はどうして一人ぼっちなのか、考えました。 赤いスカーフは、飼われていた証です。 帰りたい、戻りたい、でも今は居場所さがし。 切ないですね。 でも、途中から子犬を見つめる女の子が登場しました。 運命の出合い、良かったですね。2022/03/17
anne@灯れ松明の火
33
新着棚で。表紙に惹かれて。「なまえのないねこ」の犬版のようなおはなし。前半は切なく、寂しい雰囲気が満ちている。ただ、幸せの予感を感じさせる描写はある。本人(本犬)は全く気付いていないけれど。デザイン的で、オシャレな絵も素敵。2020/09/18
たーちゃん
24
一人ぼっちの子犬。寂しくて不安で怖くて吠えてしまう子犬。でも最後には…。息子は「よしよししたいな」と言っていました。2021/09/24