出版社内容情報
東京から佐世保に引っ越してきた小6の大河は、慣れない環境に不満や不安を感じる毎日。人見知りで目立つのもきらいなのに、防空壕「無窮洞」についての市民劇に参加することになって…。実在する戦争遺跡を通して、自分と向き合い、現代を生き抜く子どもたちの成長物語!
内容説明
ぼくたちは、戦争を知らない。だけど、生きようとした人たちの証が今もここにある。戦争の歴史を刻む町、佐世保―実在する「戦争遺跡」を通して、自分と向き合い、現代を生き抜く子どもたちの物語。
著者等紹介
あんずゆき[アンズユキ]
広島県生まれ。日本児童文学者協会会員。絵本や創作読み物、ノンフィクション作品と幅広く活躍中
佐藤真紀子[サトウマキコ]
東京都生まれ。主に創作読み物や絵本で、今を生きる子どもたちをいきいきと描いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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chiaki
32
東京から長崎へと引っ越し・転校をしてきた大河。父の会社は倒産し、家計を支えるため仕事に忙しい母。大河は方言の飛び交う学校環境に馴染めず不満をつのらせる。そんなとき、思わず口にしてしまったのが演劇への参加!何でもやる前からムリと決めつけ諦めがちな大河だが…。長崎の無窮洞をテーマに演劇に打ち込む大河のひと夏の成長物語。「じたばたしても、だめなときは、だめやけん。けど、じたばたしとるうちに、道はひらける。生きとりゃ、なんとかなるもんよ。」冒頭のひいじいちゃんの言葉が胸にささる。我武者羅ってカッコいい。2020/07/27
おはなし会 芽ぶっく
18
お父さんの仕事が無くなり、お母さんの実家(長崎県佐世保)に引っ越してきた大河。人見知りで転校そのものにもひいてしまっている大河は、方言にも馴染めず自分の居場所がなかった。そんな時、戦争をテーマにした演劇に参加することになり、徐々に仲間ができてくる。お話の中に実在する戦争遺跡から、戦争という過去を学ぶことができ、児童書ですが、大人でも自分と向き合うことを考えられる本です。2019/12/03
のり
14
親がリストラ、転校、新しい挑戦、戦争…課題図書なのか?と思えるような内容(笑) いい本だ、でも、なんていうか、大人が子供たちに読んでほしがる物語。2020/02/27
頼ちゃん
7
無窮洞、初めて知りました。行ってみたいです。「じたばたしても、だめなときは、だめやけん。けど、じたばたしとるうちに、道はひらける生きたりゃ、なんとかなるもんよ」というひいおじいちゃんの言葉いいな。「あきらめんかったら、その先に光はある」「伝えていくことが大切」2020/11/08
ネジとサビ
6
人前で演技をする恥ずかしさと気持ちよさの感覚を、久しぶりに思い出した。昔は学芸会や文化祭でみんなして演劇を作り上げる経験をしたけれど、家の子どもたちが通っている公立学校では、その経験が皆無のまま卒業する。日常目立たない子が、こんな素晴らしい演技をするんだ!と驚かされたことを思い出す。演劇の取っかかりは本作のように無理やりでもいいと思う。作中の劇の描かれ方が素晴らしくて、観劇した気持ちになった。あ~、劇観たいなぁ。2020/09/19