出版社内容情報
読み聞かせ動画
雪のふる大晦日の夜。はだしでマッチを売り歩く女の子に、マッチの火が見せた幸福なまぼろしのお話。
著者等紹介
やなぎやけいこ[ヤナギヤケイコ]
東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部を経て、ブエノスアイレスのサルバドール大学に留学。1981年、『はるかなる黄金帝国』(旺文社)で第28回産経児童出版文化賞大賞受賞
町田尚子[マチダナオコ]
東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部卒業。2017年、『ネコヅメのよる』(WAVE出版)で第27回けんぶち絵本の里大賞びばからす賞受賞
西本鶏介[ニシモトケイスケ]
奈良県生まれ。昭和女子大学名誉教授。児童文学や児童文化に対する評論、作家・作品論、民話の研究、創作など幅広く活躍。絵本や民話の再話も多い。また坪田譲治文学賞などの選考委員もつとめる。著書は各ジャンルにわたって600冊を超える。著書に「西本鶏介児童文学論コレクション(全3巻)」(第36回巌谷小波文芸賞特別賞受賞/ポプラ社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
72
あの「マッチ売りの少女」の物語に、町田尚子さんの絵が新たな感慨をもたらしてくれます。少女の澄んだ瞳に美しいマッチの美しい炎が映ります。マッチを擦って浮かび上がるつかの間の夢の世界は、きらびやかで美しい。顔が見えないおばあさん。そのおばあさの胸に抱かれた少女の顔が穏やかでほんとうに幸福そうに見えて、胸を打ちます。クリスマスや大晦日が近い季節に読みたい絵本です。多くの人が幸福を感じられるこの季節に、少女の本当の幸福とはなんだろうと考えさせられます。2023/11/14
yomineko@猫と共に生きる
72
町田尚子さんの絵。悲し過ぎる有名な物語。実はアンデルセンのお母様がモデルだったとは!彼女は貧しく、裸足で物乞い同然の暮らしをしていた。それを知って余計涙が。最後は優しかったおあばさんと一緒に天へ昇っていく。。。2023/10/20
ちえ
42
町田さんの絵はやはり目が印象的だ。このお話のイメージをふくらませる豊かな表現力。少女の凍える足先と指先。マッチをすると浮かび上がるもの。よりそう黒猫、白木さんもいるんだね…。(…アンデルセンの頭に浮かんだのは母の幼い姿でした。彼の母は私生児として生まれ、物ごい同然の生活を送り、寒い冬の日、はだしで家の戸口をさまよい歩いたといいます。母から折に触れてその当時の話を聞かされていたアンデルセンは、この物語のマッチ売りの少女に母の子供時代をだぶらせたのです)後書き。2020/04/11
chiaki
36
儚くて、悲しくも美しい、何度読んでも涙ぐんでしまうアンゼルセンの名作『マッチ売りの少女』が町田尚子さんの絵で!!!!!表紙の少女の瞳に吸い寄せられるように手に取りました。漆黒の背景に浮かぶ大晦日のごちそうが悲しい。大好きなおばあさんに抱かれる懐かしい温もり、もうダメです〰️泣 裏表紙に町田さんらしくネコが描かれていて、最後は少しほっこりしました。児童文学者・西本鶏介さんの解説も素晴らしいです。『ひきだしのなかの名作』シリーズ、他にも読んでみたい。2020/11/06
陽子
33
表紙の絵に引き込まれた。マッチ売りの女の子の表情がとても魅力的だった。マッチをすってもすぐに消えてしまった一本目の悔しいような、切ないような顔。ページ一杯にアップされた表情の瞳の美しさ。街角の夜の風景も美しい。絵によって同じお話でもいろんな雰囲気になるなあと思った。町田尚子の絵はやはり印象に残る。2019/10/31