内容説明
ある日、学校の人気者だったオスカーがこつぜんと姿を消した。オスカーは死んだにちがいない…と、みんなはあきらめてしまったが、親友のメグと、オスカーの弟のスティーヴィは、希望をすてていなかった。オスカーが消えた本当の理由とは?どんなときにだって、希望はもちつづけなくちゃ。それがたとえ、かけらのように小さくても…。学校でのいじめ、孤独、甘いだけではない初恋にゆれる心。YA世代のリアルを描いた、切なくてあたたかい物語。
著者等紹介
フィッツジェラルド,セアラ・ムーア[フィッツジェラルド,セアラムーア] [Fitzgerald,Sarah Moore]
1965年にニューヨークで生まれ、アイルランドのダブリンで育ち、現在はリムリック在住。リムリック大学で教授を務めながら、児童文学の創作に励む。2013年に“Back To Blackbrick”(未邦訳)にてはじめての児童書を出版
中林晴美[ナカバヤシハルミ]
群馬県生まれ。東京外国語大学外国語学部(英語専攻)を卒業後、英国リーズ大学大学院応用翻訳学修士課程修了
平澤朋子[ヒラサワトモコ]
東京都生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橙夜(とうや)
24
【図書館】読友さんから知った作品。どういった内容かもわからず読み始めました。オスカーとメグのそれぞれの視点からの話が交互に進んでいきます。なぜオスカーはいなくなったのか?読み進めるうちに真実がわかってきて、最後はタイトルのとおり、希望が救ってくれました。外国文学苦手なんですが、とてもいい作品でした。そして未訳の著者の一作目の作品が、とても面白そうなので原書でkindleで買おうと検討中。2017/10/28
まる子
21
小学校高学年で仲良しなオスカーとメグ。父の仕事でメグがニュージーランドに数年の引越しが決まり、旅立ったあとにオスカーが自殺⁉️メグのいない間に、いつも元気で前向きな彼に何があったのか。転校生で美人なパロマが何か知っているに違いない。著者がこの本で書きたかったのは、スクールカースト。そして誰にでも起こり得る、その人の個性や魅力が理解されずに否定されるような時、それらに屈しない心と気持ちを持つこと。だと。小中学生の現実はなかなかそうはいかないだろうけれど、いじめ等で命を失う子どもが減る事を願って。2024/04/29
tellme0112
5
良い話だった。スクールカースト他の国でもあるのか。。。。オスカー良い奴。2018/03/07
錫
1
舞台はアイルランド。お隣同士、仲良しのオスカーとメグ。オスカーはアップルパイを作ることで、たくさんの人の心を救うことができる優しい子。メグはそんなオスカーといつも一緒だったが、両親の都合でニュージーランドへ行くことに。その数ヶ月の間に、転校してきたパロマによって、オスカーは散々振り回されて、大変なことに。イジメとか序列とか日本だけの話じゃないんだなぁ。オスカーの過去はつらかったけど、最後は大団円。しかし、パロマはなぁ。どこかに救いがあるとよいのだけど。原題は『The APPLE TART of HOPE』2019/10/14
タバサ
1
外国文学でスクールカーストを扱うのは珍しいですね。日本の子も共感できそう。同年代が集められて、同じようにする事を期待される学校という場は、どこも息苦しくなる。どうにかならないものかと思います。子どもたちの順応性や我慢に甘えるのではなく、大人が何か行動を起こさないと、これは続いていきますよね。2019/06/17